近代ドイツ思想史の社会・経済思想史的新水脈の探索ーその学際的連関を視野に入れて
Project/Area Number |
21K01416
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07020:Economic doctrines and economic thought-related
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
大塚 雄太 愛知学院大学, 経済学部, 教授 (70547439)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 経済思想史 / ドイツ古典派 / アダム・スミス / 『国富論』 / 市民社会 / ガルヴェ / カント / キケロ / アリストテレス / プラトン / 道徳哲学 / ドイツ啓蒙 / グーツヘルシャフト / 農民 / 通俗哲学 / 教育 / 流行 / 社会思想 / 社会思想史 / スコットランド啓蒙 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、これまでのドイツ経済学史研究の時間軸を遡る近代ドイツ社会・経済思想史の新水脈を探るものである。ただし、分析対象を狭く社会科学的遺産に限定せず、18世紀の学際的交流の実態に即し、当時の人文・社会科学の全体動向に注意を払う。本研究により社会・経済思想史の展開は、従来よりもより広い系譜をともなって浮上するものと考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は当初の予定通り、社会科学分野における重要作品のドイツ語訳を検討する作業に着手した。まずは波及状況を確認するべく、スミス『国富論』に焦点を定め、そのドイツにおける受容形態を探った。『国富論』の独訳はJ.F.シラーによるものがもっとも早いが、受容と解釈の進展は、C.ガルヴェの独訳によるところが大きい。ザルトーリウス、リューダー、クラウスは、ガルヴェ訳に基づいて『国富論』の解釈と独自論点の発掘を行ったが、彼らはスミス的自由主義を尊重しながらも、その賞賛に終始したわけではなかった。批判的視座からの理論的再検討は、彼ら以降の受容者においてはより顕著となる。本研究ではフーフェラントとラウを分析対象に据え、『国富論』の国際的な波及過程を視野において、両者の『国富論』解釈を析出することに努めた。セーやシスモンディらフランス経済学からも多くを摂取した彼らは、財の使用価値側面に着目する一方で、スミス流の生産的労働、資本家、自然価格などの諸概念の再検討に注力した。 わが国の経済思想史研究では「ドイツ古典派」と呼ばれる彼らの思想内容への言及は端緒的なものにとどまっていたが、本研究によって「ドイツ古典派」におけるスミス受容の特質は、一定程度深められたものと考えられる。研究成果は原田哲史編『経済思想史』の一節に反映されているが、教科書としての特性に鑑み、叙述の深度が抑えられているため、別途学術論文として公表することを構想中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の個別課題の達成状況はまずまずであるが、前年度から持ち越された海外資料調査を行うことができず、最終年度における研究総括が不十分な状態である。ただし、やや遅延しているとはいえ、新しい課題の発掘と分析を行うこともできており、見通しも明確であるため、研究上の致命的な問題は発生していない。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点の進捗に鑑み、1年間の研究期間延長を申請した。個別論点の再整理を行い、研究総括を着実に進める予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)