Project/Area Number |
21K01451
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
横田 一彦 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (40390819)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 海外委託 / グローバル・サプライチェーン / 雇用 / 労働市場 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は2つの国際産業連関表にILO賃金データ,World Bank Enterprise Survey, Financial Quest,Astra Manager 等のデータベースで情報を補完し,新しい計測方法によって海外生産委託が日本の労働市場に与える影響を国際比較によって解明することである。解明する対象は①雇用量の変化(失業率の変化)②賃金の変化③生産性の変化④労働市場への影響の決定因⑤日本が世界平均と異なるとすればその要因は何か,である。
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Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である2023年度の研究では、日本、韓国、中国、米国の製造業とサービス業の産業別雇用データ(社会経済計算:SEA)と国際産業連関表(WIOT)を用いた推計をし、製造業の海外生産委託が生産者サービスの労働市場に与える影響を実証的に検討した。この研究の一部は博士課程の学生のJinchen LIUとの共同研究として韓国ソウルで開催された10月のEAEAで発表した。さらに、同コンファレンスで発表したBaek-Urata-Yokota論文では、アメリカの対中国の経済制裁が日本、韓国、台湾、東南アジア諸国の第3国の海外生産委託(グローバルサプライチェーン)を通じてアメリカをはじめとした各国にどのような影響を与えるかを産業連関分析に基づいて分析した。この論文の目的は2つある。第一に、産業連関表を用いることで、製造業の中間財に関する先行研究では測定できなかった、海外生産委託によって海外で創出された付加価値の算出や、複数国にまたがる海外生産委託の影響を把握することが可能になったこと。第二に、これまでの製造業中心の分析とは異なり、財の生産に具現化される生産者サービスに十分な注意を払うことで、製造業の海外生産委託が物流、コンサルティング、金融、デザイン、マーケティング、研究開発部門などの生産者サービスの雇用に与える影響を検証することができることである。 2023年度には、海外生産委託を基本とするグローバル・サプライチェーンのマネジメント手法についても研究を行い、その成果を大学、大学院生、サプライチェーンの実務担当者向けに教科書を出版した(『グローバル・サプライチェーン・マネジメント入門』(2024)有斐閣)。 また、2023年3月には北京大学との共同ワークショップで発表した汚職とグローバル・サプライチェーンの論文が早稲田大学出版会から2024年3月に出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は科研費プロジェクトの研究にいくつかの方面からアプローチを試みた。第1に、 海外生産委託の規模を推測するために、サービス貿易の競争力を日本、中国、アメリカで計測したが、2023年度にはこの論文を拡張して、ある特定のサービスは財の生産に付随するため、その貿易構造を把握することによって海外生産の間接的な規模を推計する予定である。第2に、海外生産委託によるグローバル・サプライチェーンへの汚職の影響を計測し、その論文を北京大学-早稲田大学のワークショップで発表し、2024年3月に査読付き論文として、Book Chapterとして公刊した。 第3に、10月に韓国ソウルで開かれたEAEAの国際会議で、2本の論文を発表した。1つはアメリカの対中国経済制裁が中国のみならずアメリカや中国とアメリアの貿易相手国にグローバル・サプライチェーンを通じてどのような影響を与えるかを計量的に計測した。初期の結果では、アメリカの対中国経済制裁は中国以上にアメリカにマイナスの影響を与えるというものであった。他の国に関する影響は現在研究中である。第4に、海外生産委託とグローバル・サプライチェーンに関する教科書『グローバル・サプライチェーン・マネジメント入門』を有斐閣から出版した。この教科書は大学学部生と大学院生、並びに実務者向けに書かれたもので、これまでに日本では存在しなかったサプライチェーンの包括的な内容を含んだ教科書である。 第5にインダストリアル・エンジニアリング学会の機関誌『IEレビュー』に巻頭論文「「(論壇)グローバリゼーションとサプライチェーン」を発表し、この分野の重要性をジオ・ポリティクスの見地から要約した。第6に、海外の国際会議や海外大学とのワークショップで多くの発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年11月にタイのバンコクで開催されるEAEA第19回国際大会で次の2本の論文を発表する。The US Economic Sanction and Its Impact on the World Economy through Global Supply Chain.” この論文では1990年から2020年までの世界の経済制裁の国際貿易とGVCへの影響を調べる。とくに本研究では2国間の経済制裁が制裁された国の輸出と輸入、GVCのLinkageに与える影響を多国間データを用いて検証する。 第2発表論文は、海外生産委託とそれに伴うグローバル・サプライチェーンにおけるサービス貿易の重要性を考慮し、サービス部門の貿易が雇用に会充てる影響を計測する。 10月に開催予定の北京大学と早稲田大学とのワークショップでは、海外委託生産が労働市場に与える影響の理論的レビューと新たな理論の構築を模索する予定である。
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