Project/Area Number |
21K01462
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村尾 徹士 九州大学, 経済学研究院, 准教授 (00645004)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | イノベーションの経済厚生評価 / 空間動学モデル / 数値解析 / イノベーション |
Outline of Research at the Start |
本研究では,イノベーションの促進に有効であると考えられる3種類の異なるタイプの政策(インフラ整備,規制緩和,R&D補助)が有する相互作用を定量的に明らかにする.さらに,政策間の相乗効果を活かすためのポリシーミックスについて検討する.本研究では,グローバルな競争の激化と産業構造の変化という,国内製造業が直面する2つの重要課題を適切に捉えつつ,上記の課題にアプローチする.
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Outline of Annual Research Achievements |
【具体的内容】 本年度は,イノベーションの経済厚生評価に関する新たな研究に着手した.具体的には,アルゴリズミック・プライシングが市場競争に与える影響を計算機実験によって検討するプロジェクトを開始した.機械学習・人工知能(AI)分野における近年のイノベーションによって,製品やサービスのプライシングをAIアルゴリズムに委譲する企業が増加しつつある.自動化アルゴリズムを用いた価格付けはアルゴリズミック・プライシングとよばれる.こうしたアルゴリズムの「価格競争」は市場効率性にどのような影響を与えるだろうか.この点に関して,幾つかの既存研究は,寡占市場に参加するアルゴリズム同士が互いにコミュニケートすることなく自律的に談合を行う可能性があることを計算機実験によって示している.しかし,これらの既存研究が実験に用いたアルゴリズムは機械学習の分野では古典的なものであり,現実の市場競争に関するインプリケーションを得るうえでは適切とはいえない.近年盛んに開発されているアルゴリズムは主にシングルエージェント環境を念頭に置いたものであるが,こうした手法をマルチエージェント環境に適用する際には,非定常性が惹き起こす問題が深刻になることが知られている.本研究では,進化的戦略(evolutionary strategies)に基づく学習手法を寡占市場の動学ゲーム環境に応用することで,アルゴリズム同士の自律的な談合が発生するかどうかを検討する. 【意義・重要性】 近年急速な進展を見せている人工知能技術は,イノベーションとwell-beingの関係に様々な課題を投げかけている.本研究が着目する市場競争への影響は,とりわけ今後の競争政策のありかたに関する含意を有するものと考えている.またアルゴリズミック・プライシングが物価に影響を与えるかどうかは,マクロ経済政策との関連においても重要であると考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,サービス・イノベーションの厚生評価という新たな研究課題を開始することができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
進化的戦略(evolutionary strategies)に基づく学習手法の強みは,並列化が容易であることである.計算環境をより充実させることにより,効率的に研究を進めることが可能になることが期待される.また,進化的戦略を用いる場合においてもハイパーパラメータの設定が重要となる.この点についての文献調査も同時に進めて行く必要がある.
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