Project/Area Number |
21K01496
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
水野 敬三 関西学院大学, 商学部, 教授 (40229703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大洞 公平 関西学院大学, 経済学部, 准教授 (70388354)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 耐久財 / 追加サービス / 不注意消費者 / 参入時期 / リアルオプション / リアル・オプション / 垂直的品質差 / 認識不足消費者 / 逐次均衡 / 占有均衡 / 市場参入 / 先発企業 / 後発企業 / インフラ産業 / 限定合理性 / 市場融合 / 競争 / 競争政策 |
Outline of Research at the Start |
電力、都市ガス、電気通信等のインフラ産業では大口需要家・小口需要家という2種類の需要家に財サービスが提供される。本研究では、市場融合・競争環境が進展するインフラ産業における小口需要家の限定合理的行動に着目し、それが企業戦略と規制・競争政策に与える効果を理論モデルにより分析する。複数市場・垂直二部門モデルを基本モデルとし、規制・競争政策として「接続・託送規制」と「垂直構造の選択(分離あるいは統合)」を考える。心理的バイアスを持つ小口需要家を考慮した際の企業の短期戦略の分析(静学分析)と長期戦略の分析(動学分析)を行い、規制・競争政策の効果を考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は研究計画最終年度である。昨年度同様、毎月1回のオンラインによる研究打ち合わせを通じて、昨年度作成した研究論文の最終版を完成した。論文タイトルは"Add-on service quality and preemption with non-savvy consumers: a real options approach"となった。 リアルオプション手法を用いた動学分析により非対称な利潤関数を持つ2企業間の参入時点の考察を再検討した。またどのような状況で占有均衡と非占有均衡が発生するかに関する均衡分類の特徴づけを行った。分析では耐久財における追加サービスの品質差に注目し、追加サービスの品質差に注意を払わない消費者(不注意消費者)の割合が増加すると、耐久財や追加サービスの価格変化を通じて、品質の良い追加サービスを提供する企業と品質の悪い追加サービスを提供する企業の参入時期がどのように変動するかを分析している。主要な結論は次の2つである。第一に、不注意消費者の割合に関係なく、品質の良い追加サービスを提供する企業のほうが、品質の悪い追加サービスを提供する企業よりも早く参入する。第二に、不注意消費者の割合が特定の臨界値より小さくなると、品質の良い追加サービスを提供する企業の参入時期が突然遅くなる、というものである。 この最終版を3月中旬に開催された「公益学+経済学ワークショップ」で報告し、現実例に関するアドバイスなど有益なコメントを得た。また2024年6月に開催されるPublic Economic Theory Conferenceと7月に開催されるReal Options Conferenceの2つの国際コンファレンスでの報告が承諾されたので、翌年度報告する予定である。
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