Project/Area Number |
21K01516
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
溝渕 健一 松山大学, 経済学部, 教授 (90510066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麓 仁美 松山大学, 経営学部, 教授 (10549299)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 知覚効果 / 省エネ / 家庭 / 内発的動機 / 次世代 / 省エネ行動 / 内発的動機付け / 家庭部門 |
Outline of Research at the Start |
エネルギー機器の効率化が日々進歩する中, これまで家庭部門の省エネ機器への投資行動の促進要因が明らかにされてきた. 一方で, このような技術面の効率化に伴い, 機器の利用者である家庭のエネルギー削減行動を, いかに効率的かつ継続的に促進できる政策を設計できるかが, 今後の省エネ政策の課題となっている. 本研究では, 社会のため(他者のため)に望ましい行動をしたいという, 省エネ行動の内発的動機のうち, 政策への応用が期待できる「知覚効果」に注目し, 省エネ行動との関係を定量分析によって明らかにする. さらに, 分析結果をもとに, 望ましい家庭の省エネ促進方法について提案することを目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
環境省の脱炭素社会移行推進室と国立環境研究所の温室効果ガスインベントリオフィスの報告書によると, コロナ禍に入った初年度である2020年度の温室効果ガス排出量は, 前年度から5.1%減少の11億5,000万トンと3年連続で最小を更新した. 一方で, 部門別の排出量の推移では, 産業, 運輸, 業務その他部門が減少している(-8.1%, -10.2%, -4.7%)のに対して, 家庭部門のみ増加した(4.5%). 環境省の地球温暖化対策計画では, 2030年までに家庭部門からの排出量を66%削減(2013年比)することを求めているため, このような状況下での高い目標の実現には, 省エネ行動の持続性が重要であるが, 家庭部門を対象とした継続的な省エネ対策は十分でないのが現状である. 本研究では, 効果的でかつ持続的な省エネ対策として, 省エネ行動の内発的動機に注目し, 省エネ行動の受益者を, 将来の地球環境で過ごす次世代であると捉え, 次世代との接触によってもたらされる知覚効果(自身の省エネ行動が次世代に影響を与えると認識する)と, 省エネ行動の内発的動機との因果関係を示すことが出来れば, より効果的で継続的な省エネ政策を設計することが出来るのではないかと考えた. 2022年度は, 計画書に予定していた論文の執筆を行い, 近日公刊される. また, 2022年度に予定していた2回目のアンケート調査は, コロナ禍が継続中であり, 本研究で着目している「将来世代」との接触が十分に行われない状況であるため, 次年度に延期することとした. 2023年度は, 質問票調査の2回目を実施し, 1回目の調査結果と合わせて省エネ政策の検討や提案を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は, 研究計画書の通り, 2021年度の第1回目調査データに基づいた計量分析を実施し, その結果を研究論文にまとめて発表した. しかしながら, この年度に予定していた第2回目の調査については, 本研究が他者との接触の機会に注目していることから, コロナ禍が収まらない状況では難しいと考えて2023年度に延期することにした. そのため, 2022年度後半に予定していた i)質問票調査②の計画と準備, ii) 質問表調査②の実施とデータ整理については, i)のみを実施して ii)については2023年度に延期した. これにより当初の研究計画書の予定から遅れる状況となった.
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ, 前年度に実施予定だった第2回目の調査ができていないことから, 研究計画書から遅れが出ている. 最終年度である本年度には, 5月にコロナが5類に変更となり, 人々の生活がもとの状態に戻っていくことが推測される. よって, 本年度は, 夏頃に第2回目の調査を実施する予定である. 2回目調査では既婚世帯を対象に, 子供が生まれてから1年以内の世帯と子供がいない世帯の合計2000世帯ほどを対象に, 知覚効果と省エネ行動の関係を検証する. 秋頃にはデータ分析を完了して, 論文の執筆を行う. また, これまでの結果から, 内発的動機に注目した家庭部門の省エネ行動促進政策の具体案を検討する予定である.
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