ロボットや人工知能技術などの技術革新が労働市場に与える影響の理論・数量分析
Project/Area Number |
21K01525
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07050:Public economics and labor economics-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
宮本 弘暁 東京都立大学, 経営学研究科, 教授 (10348831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 教孝 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (80334598)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 労働市場 / 技術革新 / ロボット・人工知能技術 / 失業 / サーチ理論 |
Outline of Research at the Start |
AI技術やロボットの発展により、新技術が人々から仕事を奪うのではないかという問いが欧米を中心に学術界のみならず政策当局においても活発に議論がなされている。本研究では失業を考慮したマクロ経済モデル(動学的一般均衡モデル)によりAI技術やロボットが雇用、賃金に与える影響を理論的、数量的に明らかにする。また、技術革新が経済に与えうるマイナスの影響を経済政策・制度がどのように緩和できるかを分析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はロボットによる自動化や人工知能(AI)技術などの技術革新が労働市場、とりわけ雇用、賃金に与える影響を労働市場の摩擦を考慮した動学的一般均衡(DGE)モデルを用いて、カリブレーションならびにシミュレーションの手法で理論的・数量的に分析することである。 2022年度は2021年度に研究分担者の名古屋大学経済研究科の工藤教孝教授と執筆した学術論文"Robots and Unemployment"の改訂作業を行い、査読付き海外学術雑誌に投稿した。 また、工藤教授とは、当該研究で使用している労働市場の摩擦を考慮した理論モデルについて、"Do General Equilibrium Effects Matter for Labor Market Dynamics?"および"Time Aggregation and Unemployment Volatility" という論文を工藤教授と執筆し、海外学術雑誌に投稿、共に採択された(前者はEconomic Modelling、後者はEconomics Bulletin)。さらに、当該研究で使用している理論モデルの応用として、労働分配率の動きを説明する研究をおこなった。 AIやロボットによる自動化など現在進行中の第4次産業革命は雇用・労働市場に大きな影響を与えると考えられているが、それらの影響を含めて、日本の労働市場について、広く一般に伝えるため、『51のデータで明かす日本経済の構造』(PHP研究所)を執筆、出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、まず、AI技術やロボットなどの高度科学技術を明示的に組み込んだ労働市場の摩擦を考慮したDGEモデルを構築し、シミュレーションの手法により、技術革新が雇用・賃金に与える影響を理論的、数量的に明らかにすることを計画していた。分析については2011年度に大部分が終わり、2022年度は、2021年度に行った分析をさらに精緻化し、その成果を"Robots and Unemployment"としてとりまとめ、査読付き海外学術雑誌に投稿した。また、当該研究を実施していく中で、新しい研究課題が生まれ、それについて研究分担者の名古屋大学経済研究科の工藤教孝教授と研究を進めることができた。この点において、当初の計画以上に当該研究課題は進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まずは2022年度に海外学術雑誌に投稿した"Robots and Unemployment"が出版されることを目指す。また、名古屋大学の工藤教授との共同作業を通じて、本研究で使用している摩擦を含む労働市場モデルについて、新しい研究テーマが出てきたため、それらについても研究を進める予定である。そのうちのひとつに、労働分配率(Labor share)に関するものがあるが、それについては2022年度に理論分析と数量分析を行ったので、今後はその結果を論文にまとめようと考えている。 また、2021年度に行ったIMFとの共同研究は特に労働市場に焦点を当てたものではなかったため、今後はAI技術やロボットなどの高度科学技術を明示的に組み込んだ労働市場の摩擦を考慮したDGEモデルにおいて失業給付、最低賃金、解雇規制などの労働市場に関する規制や制度が、技術革新が労働市場に与えうるマイナスの影響をどう軽減できるかについて検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)