Project/Area Number |
21K01540
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07050:Public economics and labor economics-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岸田 研作 岡山大学, 社会文化科学学域, 教授 (30346407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷垣 靜子 岡山大学, 保健学域, 教授 (80263143)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 介護離職 / 介護保険 / 未婚率 |
Outline of Research at the Start |
1年目:研究項目1)、2)とも主に用いるデータは、「国民生活基礎調査」と「社会生活基本調査。1年目は、分析に必要なデータセットを作成するとともに、研究項目1)に着手する。1) 要介護の親と未婚の子の同居世帯の経済状態を明らかにする 2年目以降:1) 要介護の親と未婚の子の同居世帯の経済状態を明らかにする。2) 親の介護が、未婚の子の就業率、就業時間、所得、余暇時間に与える影響の推定
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Outline of Annual Research Achievements |
未婚率の上昇とともに、親と同居する未婚の子が介護を担うケースが増えている。未婚の子が介護のため離職すると、世帯の収入は親の年金のみとなるなど世帯が貧困に陥るだけでなく、無業の子が低年金・低貯蓄により将来的に窮乏することが懸念される。しかし、そのような世帯において介護が就業に与える影響や世帯の経済状態を把握する研究はほとんど皆無であった。 主に用いるデータは、『国民生活基礎調査』(厚生労働省)である。同調査は、要介護者を有する世帯の標本が多数得られることに加え、20年以上前から調査が継続しているため、長期間にわたって世帯構造や介護者の属性変化を捉えることができるとともに、介護保険の導入や2005年の介護保険の導入の影響を調べることができる。しかし、要介護者を補足する同調査の質問文は、介護保険前後で変わっている。具体的には、1998年調査までは「介護の要否」であったのが、2001年以降は「手助けや見守りを要する者」に変わった。これまで先行研究はそのことに無自覚なまま行われてきた。今年度は、その影響を調べるとともに、その影響を考慮した推定方法を行うプログラムを開発した。その結果、介護保険後は、それ以前と比べ、『国民生活基礎調査』で把握される要介護者の数が2倍になったことを明かにした。これは、介護保険導入後は、それ以前と比べ、より軽度の者も要介護者として把握されている可能性を強く示唆する結果である。先行研究は、要介護者が軽症であるほど、その家族介護者の就業率は高いことを示している。このことは、介護保険の導入が、家族介護者の就業率を押し上げたという『国民生活基礎調査』を用いた先行研究の結果が過大評価されていることを示唆する内容である。また、分析プログラムの開発の過程で、先行研究で用いられているプログラムの誤りを発見し、それを修正したコードを書くことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究に誤りが見つかり,その問題点を解決するのに時間を要した。しかし,今後は特に問題なく順調に進むものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は学会で研究成果を発表するとともに,新たな論文の作成に着手する。
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