サステナブルな企業家の思考様式とビジネスモデル開発についての探索的研究
Project/Area Number |
21K01652
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
涌田 幸宏 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (30255020)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Keywords | サステナビリティ / 企業家活動 / 新制度派組織論 / 制度ロジック / 制度的多元性 / コラボレーション / ビジネスモデル / ブリコラージュ |
Outline of Research at the Start |
今日、持続可能な社会の実現に向けて、企業家活動の重要性が指摘されている。企業家の意思決定研究ではエフェクチュエーションが注目されているが、サステナビリティを志向する企業家がどのように事業を創造し、ビジネスモデルを構築していくのかについては、いまだ研究が蓄積されていない。 本研究では、サステナブルな企業家の事業創造における思考様式を探り、ビジネスモデルの構築と正当性の獲得プロセスを明らかにする。とくに、新制度派組織論の観点から、環境、社会、経済という多元的な制度ロジックをどのように融合させるのかに着目する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、社会の持続可能性を志向した企業家が、経済的・商業的ロジックとサステナビリティ・ロジックの競合するロジックをどのように両立させ、ビジネスモデルを構築するのかについて明らかにする。先行研究では、サステナブルな企業家活動の特徴は、多元的なサステナブルな価値を実現するための装置・道具として企業組織やテクノロジーを位置づけることにある(永続的推論)が、一方で制度的多元性によるコンフリクトにも対処しなければならない。特に、このような制度的多元性に直面する状況は、多様な外部アクターと協働して、事業を立ち上げる場合に発生すると考えられる。 このため、今年度は、ソーシャルビジネスないしサステナブルなビジネスにおける協働のリーダーシップに焦点を当てて調査を実施した。先行研究の検討の結果、ソーシャル・アントレプレナーシップの視座に基づく協働研究は近年になって散見されるようになってきたが,ミクロレベルのプロセスについて理論的に明らかにされていないことが明らかとなった。そこで、廃棄衣料のリサイクルと障碍者雇用という社会問題を解決するソーシャルビジネスを取り上げ、多様な外部アクターとの連携を通じてどのように事業を立ち上げていったのか、制度的多元性のコンフリクトをどのように処理したのかについて、事例研究を行った。 その結果、Tracey & Stott(2017)が提唱する3つの企業家活動(ソーシャル・アントレプレナーシップ、ソーシャル・イントラプレナーシップ、ソーシャル・エクストラプレナーシップ)の協働が重要であること、制度的多元性の解決にはソーシャル・エクストラプレナーシップによるオープンなプラットフォームの形成が有効であることが判明した。また、事業展開ステージでは、協働的妥協と正当化行動が確認された。なお、本研究成果の一部は、現在学術誌に査読論文として投稿中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査の成果を学会誌に投稿することができた。また、来年度に向けて、新たな調査も続行中であるため、「おおむね順調に進展している」とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、NPO、行政、民間企業によるコラボレーションによるサステナブル・アントレプレナーシップに焦点を当て、事業の成立と発展過程、多様なアクターによる協働の維持要因、制度的多元性の対処などについて調査を行う。この成果は、海外の学会で研究発表を計画しているほか、学術誌にも投稿する予定である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)