言語データを活用した個人の企業家的志向性尺度の開発と先行条件に関する研究
Project/Area Number |
21K01679
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
|
Research Institution | Fukuyama City University |
Principal Investigator |
玉井 由樹 福山市立大学, 都市経営学部, 教授 (50547362)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 聡 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (20609250)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 企業家志向性 / 個人の企業家志向性 / 組織の企業家志向性 / 企業家的志向性 / 個人の向性 / アントレプレナーシップ |
Outline of Research at the Start |
何が人の企業家的な志向性を育み,強めるのか,本研究は①個人の企業家的な志向性の測定尺度の開発、②それらが表出する先行条件の解明,③組織と個人の企業家的志向性の関係性の解明という3つに焦点を当てて研究を行う。①に関してはBolton and Lane(2012)の研究を土台に測定尺度の開発を行う。②に関しては,個人の企業家志向性が表出する条件,特に日本人を研究対象に個人の環境認識,組織文化,組織ルーチンとIEOとの関係性に焦点を当てて条件の探索を行う。③組織と個人の企業家志向性の関係性については前調査に基づき両者の関係を動かす変数を探索していく。
|
Outline of Annual Research Achievements |
企業家的志向性(EO)は、企業全体の戦略的姿勢を評価するものであり、革新性、リスクテイク、プロアクティブな行動を測定することで企業全体の起業家精神を示す。しかし、EOは個人レベルの起業家的特性を評価するための尺度としては適していない。個人の企業家的志向性(IEO)は、個人の革新性、リスクテイク、プロアクティブな行動を測定し、起業家としての特性を評価するものである。IEOは個人の起業家的能力や志向を明らかにし、起業家精神の育成に重要な役割を果たす。特に、日本の文化や社会的背景を考慮したIEOの評価は、国内の起業家精神を高めるために不可欠であり、本研究はそのための基盤を築くことを目指している。 3年目においては、既存のIEO尺度を用いてより大規模なアンケート調査を実施した。調査項目には革新性、リスクテイク、プロアクティブな行動など、IEOを構成する主要な要素が含まれており、広範なサンプルを対象にデータを収集した。IEOの各要素に関する回答を基に、因子分析や回帰分析を進行中である。これにより、IEO尺度の信頼性と妥当性を検証し、IEOに影響を与える先行条件を明らかにするための分析を実施している。 一方、当初の計画であった言語データを用いたIEO評価は、調査が大幅に遅れたため、達成できなかった。ソーシャルメディアやブログ、インタビューなどから言語データを収集し、自然言語処理技術を用いてIEOを評価する計画は、将来的な課題として残されている。そのため、研究期間を1年延長することした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、①個人の企業家的志向性を測定する尺度の開発、②個人の企業家的志向性が表出する先行条件の解明、③個人と組織の企業家的志向性の関係性の解明を目的としている。以下に、3年間の進捗状況を示す。初年度は、文献研究:個人の企業家的志向性に関する文献を整理し、Bolton and Lane(2012)の研究が中心であることを確認した。2年目は日本人大学生125名を対象にアンケート調査を実施した。その結果、先行研究と同様の因子構造を確認し、個人の企業家的志向性の高さが創業準備活動に与える影響を分析した。3年目は、既存のIEO尺度を用いて、より大規模なアンケート調査を実施した。広範なサンプルを対象にデータを収集し、IEOの評価を行った。IEOの各要素に関する回答を基に、因子分析や回帰分析を実施した。当初の計画である言語データを用いたIEO評価は、収集の困難さから達成できなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究の今後の推進方策として、いくつかの取り組みを計画している。まず、現在進行中の統計解析を完了させることが重要である。IEOの信頼性と妥当性を検証し、各要素に対する因子分析や回帰分析の結果を詳細に解釈することで、IEOの各要素がどのように個人の起業家精神に影響を与えるかを明確にする。 次に、IEOに影響を与える先行条件(例:性格特性、教育背景、職務経験など)の分析を完了させる。これにより、どのような要因が個人の企業家的志向性を高めるのかを具体的に特定し、個人の起業家精神の育成に向けた有効な施策を提案するための基礎データを提供することが可能になる。 さらに、分析結果を基にIEOの構造を明らかにし、その先行条件についての洞察を得る。この成果をもとに、学術論文の執筆および学会での発表を行い、研究成果を広く共有する予定である。これにより、IEOに関する知見を学術コミュニティと共有し、さらなる研究の発展を促進する。 また、先行研究とこれまでの調査結果を踏まえ、新たなアンケート調査を設計する。特に、これまでの調査で明らかになったIEOの重要な要素や先行条件に焦点を当てた質問項目を設ける予定である。次年度にはこの新たなアンケート調査を実施し、さらなるデータを収集して分析を行う計画である。 最後に、当初の計画であった言語データを用いたIEO評価を再試行することを検討している。ソーシャルメディアやブログ、インタビューなどから言語データを収集し、自然言語処理を用いてIEOを評価するための具体的な方法を再検討し、技術的な課題を克服するためのアプローチを模索する。この取り組みにより、より客観的かつ信頼性の高いIEO評価方法の開発を目指す。
|
Report
(3 results)
Research Products
(7 results)