Project/Area Number |
21K01752
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07090:Commerce-related
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
崔 容熏 同志社大学, 商学部, 教授 (70315836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 知一 中央大学, 商学部, 教授 (40376843)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | マルチ・チャネル / ガバナンス / マーケティング / 流通 / チャネル成果 / 取引費用 / 同型化 / 正当性 / 価値創造 / チャネル拡張 |
Outline of Research at the Start |
近年のネット販売チャネルや小売業態の多様化によって、企業はターゲット・セグメントに応じたチャネルを構築するべく、マルチ・チャネル(以下、MC)化を進めている。しかし、MC化は複雑なチャネル構造の管理という負荷を企業に与えている。 既存研究には MC 化を適切に補足するための理論的概念が存在せず、MC 化がもたらす新たなタイプのチャネル・コンフリクトや企業成果への因果関係も明らかになっていない。 そこで本申請課題では、第 1 に、サーベイデータと財務データと接合することで、MC 化の測定指標を構築する。第 2 に、MC 化の先行要因と企業成果への効果を説明する概念枠組を提唱し、その実証を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度はこれまでに収集したサーベイデータを活用し、主に二つの研究に取り組んだ。第1に、マルチ・チャネル化がどのような動機に基づいて行われるのかによって、企業成果が異なりうることを経験的に検証した研究である。マルチ・チャネル化に関するこれまでの研究は、マルチ・チャネル化の動因として取引費用を含む経済的要因に注目してきた。一方で、本研究では新制度派組織論の枠組みに基づき、企業は、経済的要因のみならず自社が置かれた制度的環境において正当性を確保するための戦略的同型化としてマルチ・チャネル化を推進する可能性があると提案している。とりわけ制度的要因として本稿が注目するのは、模倣的同型化と規範的同型化である。以上の問題意識の下で、B2B産業における日本の製造業者204社から収集した定量的データに基づき、その妥当性を検討した結果、制度的要因としての模倣的同型化と規範的同型化および経済的動機を表す現有チャネルへの不満と二重チャネル間のシナジー効果は、すべて、日本の製造業者がマルチ・チャネル化を進めるか否かを左右することが確認されている。同研究は「Analyzing the Motives Behind Channel Diversification: Passive vs. Proactive rather than Rationality vs. Legitimacy」と題した論文として仕上げられ、今年度中に国際ジャーナルへの投稿を目指している。 第2に、昨年度から取り組んでいるチャネル・ガバナンスの非整合性(misalignment)に関する論文を完成し、現在国際ジャーナルでの1次審査結果を受け、修正作業を進めている。同研究にからの刮目すべき分析結果の一つは、過小なチャネル統制度は、チャネル・サービスの差別化効果を軽減させるという否定的な結果をもたらすということである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
公務の影響で新規の研究プロジェクトの立ち上げが遅れている。海外チャネルを分析コンテキストとして、マルチ・チャネル化が多次元のチャネル成果に及ぼす影響についての大規模調査を2023年度内に実施する予定であったものの、計画通りに実行できず、今年度の上半期中に調査を開催する予定である。調査設計や作業仮説に関しては準備がほぼ終わっており、サンプリングと調査実施方法の検討を現在行っている最中である。 同研究はチャネル構造(マルチ・チャネル対シングル・チャネル)が企業成果に及ぼす主効果のみではなく、平等性、コミュニケーション、文化的距離などの諸要因を調整変数として取り入れることにより、海外チャネル構築に関する研究分野の発展に貢献できるものと考えられる。2024年度の上半期中にデータ収集が完了すれば、早速分析作業に取り組む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度の主な計画は以下の二つである。第1に、海外チャネルに関する新規の研究プロジェクトによるデータ収集と分析作業を進めて行くことである。具体的内容は前項で述べたとおりである。 第2に、実験という分析手法を用いた新規プロジェクトを開始する予定であり、現在共同研究者との間で議論を始めている。とりわけ、マルチ・チャネルにおけるガバナンスの相違(契約的ガバナンス対関係的ガバナンス)が、チャネル知覚(公正性、コンフリクト、信頼など)及びチャネル成果と如何なる関係性を持つのかに関する理論仮説を開発するために、随時共同研究者同士の打ち合わせを実施しており、研究仮説と概念モデルが確定すれば、実験調査を開始する予定である。実験は変数間の因果関係を同定する最も有効な調査手法の一つとして考えられ、被験者を国内外から募集する国際比較調査に発展させる予定である。
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