Research of Environmental Management Accounting for Circular Economy
Project/Area Number |
21K01800
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07100:Accounting-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
中嶌 道靖 関西大学, 商学部, 教授 (10227803)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | マテリアルフローコスト会計 / MFCA / サーキュラーエコノミー / 省資源 / 環境管理会計 / 企業事例 / 原価企画 / 管理会計 |
Outline of Research at the Start |
実務的に有用な環境管理会計手法の開発のために、MFCAを実施している国内外企業へのインタビュー調査や製造現場での実態調査、さらにはMFCAの試験導入によるる実証研究を実施する。
また、原価企画に関する企業研究会において、研究成果を発表し、原価企画とMFCAを統合したサステナビリティマネジメントの具体的な手法開発を企画・実施する。
そして、本研究の最も大きな成果としては、エネルギーを含む資源生産性(絶対的ロスの排除)と経済性(製品価格競争力)の向上という両面から、サーキュラーエコノミーを実現するものづくり生産プロセスへと変革する、日本発の環境管理会計手法を研究開発することである。
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Outline of Annual Research Achievements |
中小企業の協力を得て、環境管理会計手法であるマテリアルフローコスト会計(MFCA)によって得た情報をもとに、サーキュラーエコノミーに資するマネジメント情報を作成し、製造工程の改善、改良を試み、研究論文としてまとめ公表した。具体的には、MFCAによって見える化したマテリアルロス(主に原材料のムダ)、製造に関わる作業のムダ、製品在庫の見える化と製品の廃却(資源のムダ)、さらには、製造設備が稼働するエネルギーや洗浄に代表される水の消費と排水の見える化を環境管理会計の観点からまずは調査研究を行った。このような見える化に合わせて、見える化とロスの削減をテーマ別に実施するプロジェクトを月次の定期的に実施し、現状の報告と改善の成果を共有し、PDCAサイクルによるマネジメント活動を実施した。これは、具体的なサーキュラーエコノミーマネジメントの実例のひとつと呼ぶことができよう。 また、複数の企業が参加する「コストマネジメントおよび原価企画」に関する企業研究会(東京)にも参加し、サーキュラーエコノミーに資するマネジメント手法に関する意見交換を実施し、今回実施したMFCAの事例研究に関してもコメントやアドバイスを受け、サーキュラーエコノミーに資するマネジメント手法として、MFCAが汎用性の高いサーキュラーエコノミーに資するマネジメント手法として発展するように研究を進めた。 さらに、これまでの研究成果の一部を関連する学会の全国大会で、共同発表した。また、サーキュラーエコノミーに資するマネジメント手法において、製品設計段階でサーキュラーエコノミーを考慮することも重要で、その点に焦点を当てた研究成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健康上の理由から計画通りの回数で出張することが難しく、直接に企業現場を訪問する調査研究が必ずしも十分に実施できなかった。その補完的手段として、Web会議などを通じて、調査研究を実施することで、企業現場を対象とした調査研究の回数(基本的には月1回)はほぼ計画通りに実施することができた。 特に、本年度は、製造工程での製品を中心とするマテリアルフローにおけるマテリアルロスだけでなく、サーキュラーエコノミーという観点から、製品在庫(製品の廃却を含む)や製造に関わる用役関係でのロス(主にエネルギーや水のロス)も調査研究の対象とした。そして、製品在庫や用役関係でのロスの見える化と改善をサーキュラーエコノミーという観点から見える化できるMFCAを実施し、実務で有用なサーキュラーエコノミーに資するマネジメント手法としてMFCAを発展させるよう、当該中小企業とともに調査研究を進めた。 しかしながら、企業への現場調査の計画回数が完全に実施できなかったこともあり、直接に現地での現物確認ができず、現場作業者の臨場感などを直接的に感じることができず、また時間的にも制約が生じた。 また、同様に、複数の企業が参加する「コストマネジメントおよび原価企画」に関する企業研究会(東京)への参加も、当初予定の半分程度となり、またWeb会議の形式を取ることもできなかったことで、当初の計画通りに、調査研究を進めることはできなかった。部分的には、電子メール等での情報交換は可能であったが、秘密保持の観点からも限界があった。 以上のことから、計画通りに完全かつ十分に調査研究を進捗させることはできなかった。しかしながら、様々な方策や方法、手段を活用し工夫することで、可能な限り調査研究を進め、学会での研究成果を発表し、さらに学術論文に本年度の研究成果の一部をまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、中小企業の協力を得て、サーキュラーエコノミーに資するマネジメント手法である環境管理会計手法へとマテリアルフローコスト会計(MFCA)を発展させるよう調査研究を進める。そして、これまでの研究成果のひとつである原価企画との連携も試み、製品開発設計段階から量産、さらには製品廃棄(リサイクルなどを含む)までを範囲としたサーキュラーエコノミーに資するマネジメント手法として、MFCAを発展させたいと考えている。 そのためにも、引き続き、複数の企業が参加する「コストマネジメントおよび原価企画」に関する企業研究会(東京)にも参加し、サーキュラーエコノミーに資するマネジメント手法としてのMFCAが実務でも有用性を発揮できるかに関して、意見交換を継続的に実施する。 そして、本研究課題の最終年度ということもあり、これまでの研究成果をまとめ、国内外の学会で研究成果を報告し、日本語ならびに英語での論文を作成し投稿する予定である。たとえば、11月初めにある「第16回EcoBalance国際会議2024」(宮城県仙台市)での研究成果の発表を目指している(発表申込済み)。EcoBalance国際会議は、国内外のライフサイクルアセスメント(LCA: Life Cycle Assessment)の研究者ならびに企業実務者が集まる。(LCAは、サーキュラーエコノミーを実現する、国際的に認められた具体的なひとつの評価手法である。) 本国際会議での今回のテーマは「Life Cycle Thinking: Beyond Carbon」で、ライフサイクル思考とゼロカーボンに資するサーキュラーエコノミーに貢献することがあり、本研究成果を発表し、国内外の研究者、実務家と議論することはサーキュラーエコノミーを実現するために重要である。このような研究成果の公表、情報交換を通して、さらに本研究を発展させる。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)