学校選択制度の見直しが学校と地域の関係に与える影響
Project/Area Number |
21K01839
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
藤井 宣彰 県立広島大学, 生物資源科学部, 准教授 (20615603)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 学校選択制度 / 教育行政 / 学校再編 / 学校・学級規模 / 地域社会 / 地域と学校の連携・協働 / 学校統廃合 / 学校規模 |
Outline of Research at the Start |
広島県尾道市は2004年度から学校選択制度を導入している。新1年生について、条件を問わず入学する学校を選択できることとしていた。市民は概ね学校選択制度に好意的だが、学校間の格差や地域とのつながりを問題視する声もある。2020年度からは校舎の耐震化への対応などのため、学校選択制度を縮小することにした。このことにより、保護者、児童生徒、地域住民の学校に対する意識や関わりがいかに変容するか、主にアンケート調査を利用して明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
尾道市教育委員会では、平成16年度から学校選択制度を導入している。尾道市の学校選択制度は、小中学校ごとに受け入れ可能人数を設定し、希望者は新1年生に限り、条件を問わず入学できることとし、申請が受け入れ可能人数を超えた場合は抽選としていた。しかしながら、土堂小学校と、同校の進学先である長江中学校にニーズが偏っていた。両校においては、校区内に居住する児童生徒が少ないものの、1学年複数学級を実現できていた。反面、他校区から児童生徒が流出入することで地域コミュニティに与える影響も懸念されてきた。 平成30年度に、「尾道市の学校選択制度の検証について」というテーマで尾道市教育委員会と連携して小中学校の児童生徒と保護者、新入学児童の保護者、地域住民に対する調査を行った。その後、令和2年度からの学校選択制度を縮小する変更につなげた。再度、尾道市教育委員会の協力を得て、令和3年度9月に「今後の尾道市立小中学校の教育の在り方」に関するアンケート調査を実施した。小学校3年生と中学校2年生の保護者、学校運営協議会委員・学校評議員・学校関係者評価委員、教職員の3者を対象とした。保護者と教職員に対しては学校を通じて調査票を配付・回収し、学校評議員等に対しては郵送で調査票を配付・回収した。回収率は、保護者88.6%、学校評議員等82.5%、教職員99.5%であった。年度内にデータ入力と基礎集計を行い、教育委員会の内部検討用の分析を行った。令和4年度には、主として3者間の意識の違いに着目して分析を行い、尾道市教育委員会及び関係の学校に対して説明を行った。 学校の規模は、1学級20人台で1学年複数学級が望まれている。現在の学校を維持すると、望まれている規模よりも児童生徒数が少ない学校が増えると予想される。保護者は、新たな教育よりも、従来からの学習指導、情報提供、学校安全を希望している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、令和3年度に科学研究費助成事業による研究費を用いてアンケート調査を行う計画であったが、尾道市教育委員会の意向もあり、別の研究費を用いてアンケート調査を行った。本研究の学校選択制度に関する観点も含んだ調査項目を設定したものの、数多くは設定できなかった。 令和4年度には、尾道市中心部の学校再編について、尾道市教育委員会にて保護者の意向調査や説明会を開催している状況である。同一年度に複数回の調査を行うことは、学校ほか調査対象者に多大な負担をかけるため、令和5年度に科学研究費助成事業による研究費を用いた調査を行うことにした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に取得したデータについて、学校選択制度の有無を考慮しながら、保護者・教職員・学校評議員等で共通に設けている通学負担、学校へ期待する取り組み、学校への満足度、望ましい学校や学級の規模、市の教育に対する希望、地域社会との関わり、将来的な空き校舎活用方法について回答に違いがないか検討する。特に中学校の保護者については、学校選択制度の変更後に入学しているため、平成30年度から学校への期待や満足度が変化していないか検討する。 令和2年度の学校選択制度変更後に入学した児童生徒及びその保護者、地域住民のデータ取得がまだできていない。令和5年度には、特に中学生については学校選択制度変更以前の入学者と比較可能な学年を追うことができる。尾道市教育委員会としても、学校選択制度の再検討の必要性を認識しているところであり、協議して調査を実施したい。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)