Project/Area Number |
21K01897
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
徳川 直人 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (10227572)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 食農コミュニケーション / 社会的表象 / 社会的相互作用 / 社会学 / 相互行為 / 支配的な表象 / 農村 |
Outline of Research at the Start |
農は今日の生活文化状況に対して問題提起をなしうる基礎的で重要な位置にあるが、農に関する「支配的な表象・言説」の中で、農業者はしばしば「語りづらさ」を抱えている。「農はいま何をいかに語りうるだろうか」という課題関心のもと、「支配的な食農表象」の論理構造を明らかにし、「食農コミュニケーション」が陥りがちなディスコミュニケーションのパターンを析出することが、本研究のねらいである。
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Outline of Annual Research Achievements |
「食と農の社会的懸隔」が広がり、その間隙に「支配的表象」が介在することで、食農間のコミュニケーション、あるいはそれ以前の対象認識や生活態度において、種々のハザードが発生している。議論的アプローチなりレトリカルアプローチに示唆を得た相互行為論の見地から、そのパターンを類型化・一覧化するのが研究目的であった。 それにかかわり、種々の事例分析から「支配的な農業・農村表象」についてとりだした。すなわち「ロマンティックな食農表象」「自動農業の夢」「烙印としてのムラ」「フードファクトリーの悪夢」という4類型である。これら複数の表象は「競合・葛藤」するとともに場合により恣意的に「相互補完」しあう関係にもあり、それゆえこれらの表象の使用にも固有の動学と政治が発生する。ここに生じる意図せざる地位強制やラベリングなどが語りづらさの経験に影響し、また、農家の語りにも「議論的でレトリカルな」性質を生じさせているといったように分析することが可能となる。 加えて、「支配的な消費者像」についても、資料や文献などから、より安価でより便利なものを追求する「功利主義的・大衆的消費者像」、社会的配慮をおこない消費者運動に参加する「公衆的消費者像」、自己の指向性に準拠した文化的消費にコンサマトリーな充足を感じる「分衆的消費者像」などを設定した。ここにおいて、これまで問題的に捉えられがちだった記号的・物語的消費は、単に顕示的消費や不必要な消費と結びつくばかりではなく、公衆的消費者像および分衆的消費者像とに重なって存在する場合もあると推定できた。 これらのコーディングおよび分析枠組みに従って、報告原稿もある程度まで準備することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インタビュー計画はやや遅れ気味であるが、理論枠組みを補充するとともに、資料や事例からの分析を進めることができ、報告原稿の執筆にとりかかることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのインタビュー記録の活用をはかるとともに補充的なインタビューを試みる。報告について、学会報告用と、単著としての準備用とに分けて進める。
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