テキストマイニングによる20世紀国家(ステイト)分析
Project/Area Number |
21K01904
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
左古 輝人 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (90453034)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
|
Keywords | 国家 / 国民 / 政府 / 国体 / 市民社会 / ユートピア / テキストマイニング / 概念史 / テキスト計量 / テキストアナリティクス |
Outline of Research at the Start |
初年次 入力作業に謝金を用いながらデータセットを作成する。文研研究を進めながらテキストマイニングのソフトウェアを複数入手し、分析試行を開始する。 第二年次 データセットの差分を補いながら本格的な分析をおこない、中間結果を学会報告、論文などとして公開する。 最終年次 最新の情報をフォローしながら研究結果の取りまとめをおこなう。
|
Outline of Annual Research Achievements |
NDLOPACをソースとし、語句「国家」and/ori「国民」and/or「国体」and/or「政府」を含むタイトルからコーパスを作成し、石田雄『日本の政治と言葉』に示された諸見解を参照規準として、逐次分析をおこなった。 近代日本「国家」に対する理解は憲法発布に前後し、すぐれて実利主義的な性格を有するものとして確立した。この局面における日本「国家」理解を代表するのは有賀長雄『国家学』(1889)および後藤新平『国家衛生原理』(1889)である。 これに連動し「国民」観念は2通りの仕方で出生した。第1に従来の諸属性から解放され「百科」や「便覧」、「宝鑑」に提起された新知識を吸収する人々である。第2に徴兵検査を受けた「国家の兵」である。これを代表するのは内田邦靖『国民須行』(1884)および笹島吉太郎『国民合約論』(1881)である。 19世紀末以降、「家族国家観」の普及とともに被治者全体を覆っていったのは「国家の兵」としての「国民」だった。これを証するのは樋口勘次郎『国家社会主義新教育学』(1904)、石井国次『国民の覚悟:戦時教育』(1904)である。 日露講和以降、実利を優先しないかのような挙動を見せる現実の「国家」に対して、「国家の兵」としてのイノセンスを有する「国民」は不満を膨張させ、時に暴走した。千家尊福『国家の祭祀』(1916)、志村智鑑『日蓮聖人の教へられたる国家と人生』(1920)などがそれを物語る。大正期を通じ、その一部が自身のイノセンスの拠り所を憲法冒頭の「神国日本」に求めるに至った。 大正期には日本「国家」「国民」のこの隘路に無「政府」主義と多元「国家」論が現れる。大杉栄『無政府主義者の見たロシア革命』(1922)、長谷川万次郎(如是閑)『現代国家批判』(1921)がそれを代表する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に予定していたコーパス作成の作業が今年度にずれ込んだためである。 今年度にきわめて精度の高いコーパスの作成に成功したため、作業は軌道に乗ってきている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度に計画を完遂し、成果を公表する。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)