「社会の中で生きる非触法ペドファイル」の実証的研究:当事者のナラティヴに注目して
Project/Area Number |
21K01915
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
湯川 やよい 愛知大学, 文学部, 准教授 (20723365)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 非触法ペドファイル / 小児性愛 / セクシュアリティ / ジェンダー / ペドファイル / クィア / ナラティブ |
Outline of Research at the Start |
本研究は、非触法ぺドファイル(子どもを性的な対象とする小児性愛者のうち、性加害を実行したことがない人々)の実態を読み解く仮説生成型の研究である。非触法ぺドファイルが、自身を社会の中でどのように位置づけているのかを、当事者自身のナラティヴ(語り)を主軸として明らかにする。また、近年その実態解明が喫緊の課題とされながら、研究蓄積が極めて薄い非触法ぺドファイルに焦点化することで、子どもの安全を企図する諸政策を展望する議論の基盤を提供するねらいもある。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、非触法ぺドファイル(主に思春期前の子どもを性的な対象とする小児性愛者のうち、性加害を実行したことがない人々)の実態を読み解く仮説生成型の研究である。非触法ぺドファイルが、自身を社会の中でどのように位置づけているのかを、当事者自身のナラティヴ(語り)を主軸として明らかにする。また、近年その実態解明が喫緊の課題とされながら、研究蓄積が極めて薄い非触法ぺドファイルに焦点化することで、子どもの安全を企図する諸政策を展望する議論の基盤を提供するねらいもある。
本年度は、前年度アクセスに成功し慎重にラポール形成してきた女性非触法当事者とのインタビュー調査を継続した。複数回の調査を踏まえて、分析の途中経過を国内学会で発表した(特に、ペドフィリアが男性性と強固に結び付けられ定義づけられる言説状況において、非触法女性当事者が「社会の中で存在しないものとされている自己」を認識・表象する際の困難について分析した)。
女性非触法当事者については海外研究における二次資料分析等も非常に限られるため今後の分析方向については慎重に検討する必要があるものの、世界的にも極めて知見が少なく解明が求められる女性当事者のケース分析ができたことは、大きな成果であると考えられる。 他方で、男性非触法当事者についての継続調査は必ずしも予定通りには進まなかった。ただし、一部ケースについては、当事者と関係の深い人々(成人パートナー、きょうだいなど)に対する聞き取りを行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
時間をかけてラポール形成した女性非触法当事者への複数回のインテンシブなインタビュー調査を実現し、そのデータの一部について途中経過の分析を当該女性当事者の許可を得て学会発表の形で提示できたことは、大きな成果といえる。 一方で、男性当事者のデータ分析・発表については必ずしも予定通り進まなかった(特に、成果発表の段階で一部対象者との合意形成が達成できなかった点については、再分析または別の方向での調整が必要と思われる)。 全体としては、女性非触法当事者について一定の成果が得られたため概ね順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
継続して女性当事者へのアクセスは試みるものの、世界の関連研究をみても女性非触法当事者への追加アクセスは極めて困難であり容易に雪だるま式サンプリングができるわけではない。また、これまでの調査経験からも、対象者のジェンダーを問わず、他のマイノリティ研究に比べていったん構築したラポールの維持が難しいのも当該調査の特徴と考えられる。 そのため、現在の対象者への継続インタビュー(生活環境の変化に伴う職場、家族、知人等の関りの変化等)を続けながら、なにより既存インフォーマントとの間のラポール維持・深化を重視しつつ、副次的に新規インフォーマントの獲得にも努める。また、限られたケース数から意義ある知見を析出するための、方法論上の課題についても注力したい。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)