Development of a program for preventing the emergence of abused children having potential violence
Project/Area Number |
21K01943
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
廣澤 愛子 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 教授 (10345936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲月 聡子 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (50839892)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 被虐待児 / 潜在的暴力性 / 予防治療プログラム / 創造的芸術療法 / 児童福祉施設職員 / 入所児童の暴力への対応 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,幼少期の被虐待体験を有する人が,後年,自らも虐待を行ってしまうことがある「虐待の世代間連鎖」に改めて着目し,虐待の被害者から加害者へと「暴力の再現化」が生じる前に,被害者の段階において,暴力の再現化を未然に防ぐ予防治療プログラムを開発する。つまり,加害者ではなく被害者を対象とし,被虐待体験によって内在化された潜在的暴力性を緩和・解消し,被害者から加害者へという暴力の連鎖を断つことを目的とする。具体的には、1)潜在的な暴力性の実態調査、2)暴力の予防治療プログラムの開発、3)プログラムの評価とマニュアル作成、の3点を4年間で実施し、子どもの虐待死防止に真に有効な取り組みを実現する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,幼少期に被虐待体験を有する人が,後年,自らも虐待を行ってしまうことがある「虐待の世代間連鎖」に改めて着目し,虐待の被害者から加害者へと「暴力の再現化」が生じる前に,被害者の段階において,暴力の再現化を未然に防ぐ予防治療プログラムを開発することを目的としている。そのうち今年度は,以下の2点を実施した。 1)昨年度に実施した児童福祉施設職員への調査結果の公表 調査結果について,日本子どもの虐待防止学会及び日本心理学会にて発表を行った。発表の内容は,児童福祉施設で働く専門職員が入所児童の暴力にどのように対応しているのかを質的に明らかにしたものである。特に福祉領域の専門家から,非常に多くの有益なご意見をいただいた。そして本調査の結果及び福祉領域の専門家の方々とのディスカッションを通じて,暴力の質的特徴に合わせて対応の仕方を調整することが入所児童の暴力低減に資することが示唆され,いくつかの対応パターンが導きだされた。 また,この調査結果及び福祉領域の専門家との意見交流から,以下の2)「暴力の予防治療プログラム」の作成に当たり必要な観点も示唆された。 2)次年度実施予定の「暴力の予防治療プログラム」の内容検討 福祉現場の専門家と協議しながら暴力の予防治療プログラムの内容について検討を行った。具体的には,a)物事への否定的な認知を修正する内容をプログラムに盛り込むこと,b)暴力を手放すことによる不安を認め,その不安を支援者が共有する関わりを含めること,c)暴力を手放した後の解放感を体験すること,d)プログラム実施以前に,多くの人にとって当たり前の「日常生活」を積み重ねることが重要であること,などが重要な点として共有された。この後,これらの臨床知見を踏まえて,児童福祉施設職員の方々と勉強会・研究会などを通して複数回意見交流を行い,「暴力の予防治療プログラム」の内容の骨子を仮策定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究がやや遅れている理由は以下の2点である。
まず1点目として,児童福祉施設職員に対する調査結果については,日本国内における学会での発表は実施できたものの,論文投稿にはいましばらく時間が必要であり,次年度に投稿予定である。また,国際学会での発表についても,今年度は間に合わず,次年度実施することが決定している。このように,研究成果の公表という点においてやや遅れを来している。遅れた理由としては,予想以上に多くの職員の方々が調査に協力してくださり,得られた研究データの分析に時間を要したためである。貴重な臨床的知見が得られたので,やや遅れてはいるものの次年度も継続して研究成果の公表に努める次第である。
2点目は,暴力の予防治療プログラムの内容策定については,ある程度の骨子は見えてきているものの,予備実施を行うことができるまでには至っていないという点が挙げられる。予防治療プログラムの細部まで内容を詰めるのに,今しばらくの時間が必要と考えている。福祉現場の職員の方々に意見をいただきながら,現場で実施可能かつ暴力低減に有効な内容となるよう,丁寧にプログラムの内容を構築したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては以下のように考えている。 まず,次年度は,2023年の前半に暴力の予防治療プログラムを仮策定し,2023年の後半には実施したい。研究代表者と分担者それぞれの地域において,児童養護施設,児童自立支援施設,並びに児童心理治療施設において,プログラムの予備実施を行う。予備実施を踏まえて,適宜プログラムに修正を加えて,2024年前期におけるプログラム本実施に向けて準備を進める。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)