Project/Area Number |
21K01944
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Nihon Fukushi University (2022) Shiga University of Medical Science (2021) |
Principal Investigator |
冨田川 智志 日本福祉大学, 健康科学部, 講師 (90441881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 照代 滋賀医科大学, 医学部, 特任准教授 (20293821)
辻村 裕次 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40311724)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | ノーリフティングケア / 身体負担 / 客観的評価 / 作業姿勢 / 移動・移乗支援用具/機器 / 介護労働者 / 介護保険施設 / 高知県 / 実態調査 / 手引き及び評価指標 / 高知モデル / 手引き・評価指標 |
Outline of Research at the Start |
わが国では、介護労働者の身体負担や介護人材不足が深刻化している。一方高知県では、独自事業として、不自然な姿勢を回避し、原則として人力による人の抱上げは行わせず、福祉用具の使用を含め要介護者に適した方法で介助する「ノーリフティングケア(以下、NLC)」の徹底を図った結果、介護労働者の腰痛発生率の減少や介護人材確保、利用者の心身の活性化等、様々な好事例が報告されている。 高知県はNLC推進の好事例であると言えるが、高知県の取り組み内容を客観的指標を用いて分析した研究は皆無である。 そこで本研究では、全国のNLC実践の実態と課題、高知県の取り組みを分析し、全国的なNLC推進のための支援ツールを開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ノーリフティングケア(NLC)実践効果を客観的指標を用いて明らかにすることを目的としているため、2022年度は高知県内でNLC実践が定着している介護保険施設に勤務する介護労働者を対象とした身体負担調査を実施した。 対象施設の種別は介護老人福祉施設と介護老人保健施設とし、各種別1施設(計2施設)を選定した。対象者は男女各1名(計4名)とした。 調査内容は、対象者の基本情報、勤務中の表面筋電図、上体傾斜角、心拍数、活動強度、歩数、作業内容、始業直前及び終業直後の疲労度、肩及び腰の痛みの程度、自覚的業務量とした。調査対象日は終日介護業務を行う日勤業務日(行事、会議、研修等、長時間介護業務から離れる日は除く)とし、対象者一人あたり3~4日間(うち1日は入浴介助担当日)を測定した(計14人日分)。なお、本調査は、日本福祉大学「人を対象とする研究」に関する倫理審査委員会及び滋賀医科大学研究倫理委員会にて審査・承認され、同大学学長の許可を受けて実施している。 まず、対象施設のNLCに関する組織体制や環境面を調査した。対象施設では、NLCを推進するためのリーダーの設置、移動・移乗支援用具/機器の充実、不良姿勢や拘束姿勢を回避・低減させるための環境調整、NLCを意識づけするための啓発ポスターの掲示等といった様々な取り組みを計画的に行っていた。 次に、介護労働者の身体負担調査を実施した。結果、終業直後の疲労度、肩及び腰の痛み度については、程度に個人差はあるものの、一様に肩の痛み度(Borg CR10 Scale:平均0.3)が最も低く、次いで腰の痛み度(平均1.4)、全身の疲労度(平均2.2)の順となっていた。この数値はNLCを導入していない介護保険施設での先行調査結果よりも低い傾向にあった。 その他の調査結果の解析は、当初計画通り2023年度に実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では、2022年度中に全国の介護保険施設(1920施設を無作為抽出)を対象としたNLCの実態調査(Web調査)を実施する予定にしていた。そのため、早い段階から準備を進め、高知県からの本調査への賛同や高知県及び滋賀県の介護保険施設関係団体の後援も取り付けていた。しかし、調査予定時期に全国的なCOVID-19の再拡大がみられ、本調査の対象者である介護保険施設の職員が多忙を極めている状況にあったことから、2022年度中の実施は困難と判断し、次年度に延期することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、介護保険施設に勤務する介護労働者を対象とした身体負担調査と、全国の介護保険施設を対象としたNLCの実態調査(Web調査)を実施する。 身体負担調査については、2022年度に実施した高知県でNLC実践が定着している介護保険施設に勤務する介護労働者を対象とした身体負担調査(主に勤務中の表面筋電図、上体傾斜角、心拍数、活動強度、歩数、作業内容)の結果を解析する。そして、計画実施計画の通り、高知県の対照群として、滋賀県の介護老人福祉施設・介護老人保健施設のうち計2施設を対象として、NLC実践による介護労働者の身体負担調査(高知県での調査内容・方法と同様)を実施する(対象者も同じく計4名)。 Web調査については、2022年度に実施予定であった全国の介護保険施設(1920施設を無作為抽出)を対象としたNLC実践の実態調査を実施する。また、高知県及び滋賀県の全ての介護老人福祉施設・介護老人保健施設を対象とし、当該施設に勤務する介護労働者(正規職員)、各10人(約730人を想定)を対象者として、NLC実践の実態調査を実施する。 2024年度は、2022~2023年度の調査結果を本研究チームと各種専門家とともに分析し、NLC推進のための手引き及び評価指標案を作成する。また、身体負担調査対象施設を対象としたWeb報告会の開催、報告書の作成、ホームページでの公表を実施する。
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