Planning to develop clothing life education skills utilizing the development of skill education teaching materials for vocational trainees in Sierra Leone
Project/Area Number |
21K02074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
村上 かおり 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (80229955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 智恵 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (60132437)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | シエラレオネ / 縫製技能 / 家庭科教員養成課程 / 教材 / 自立 / 衣生活 / 教科書 / 衣生活教育 / 技能教育 / 教材開発 |
Outline of Research at the Start |
家庭科教員養成課程において生活の質の向上に貢献できる教員をめざしている学生たちが,西アフリカのシエラレオネの職業訓練校で,自立のために布を用いた作品を製作している青少年たちの技能向上のための教材開発をすることを通じて,家庭科教員としての教材研究力と,衣生活教育の実践力を習得することを構想した。シエラレオネは,内戦とエボラ出血熱によって,教育環境は整備されておらず技能向上支援が必要な状況である。理解度の多様な訓練生を想定して教材研究ができる環境を活用し,家庭科教員養成課程の学生の教材構想に対する力を育成し,高い指導力をもった家庭科教員を輩出することにつなげることが本研究の目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
シエラレオネでの教育活動については,コロナ禍のため当初予定していた2022年度までの渡航が難しかった。そのため家庭科教員養成課程において生活の質の向上に貢献できる教員をめざしている学生たちが,シエラレオネという国や国際支援と知るという活動に重点をおき,研究を進めてきた。日本におけるシエラレオネの教育支援活動の現状などを紹介しながら,教員養成課程所属学生として支援の在り方を考える機会を設け,国際社会で生きる人間としてどのような取り組み方があるかを考えさせた。 その結果,家庭科教育を学ぶ学生として,日本在住の留学生とその家族が生活に関わるものづくりを楽しめるイベントを企画し,日本の学生,留学生がともに国際共生について取り組める機会を設けるという発想に至った。企画は2023年には年4回実施することができた。ものづくりの内容は,基礎縫いを活用した刺し子により,日常生活で活用できるランチベルトやマグネットを製作する活動とした。これらの企画の構想と実践から,シエラレオネの教育支援活動を通じて,自分たちができる衣生活教育,国際共生の在り方を考える力が向上していることが示唆された。 また新型コロナウィルス感染症が第5類感染症に移行したことから,2024年2月の渡航計画を立てた。シエラレオネの職業訓練校での授業として,1日約2.5時間という短時間で完結する題材が有効であることがわかったため,日本の和服生地とシエラレオネの生地を縫合したポーチを製作するという内容を企画し,現地の初級クラスにて実践した。初級クラスの縫製技能には差が大きく,また縫製技能を習得する意義についての理解もさまざまであることが,授業内の様子からうかがえた。また授業を担当している現地の教員の縫製技能の指導方法も,日本とは異なることが多く,生徒の技能向上のために教員間の協力体制も必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の状況で渡航計画を立てることが難しかったが,2023年5月に新型コロナウィルス感染症が第5類感染症に移行したため,2023度には渡航計画を立てることができた。そのため2024年2月の渡航計画に必要な準備として,日本の中学校家庭科の教科書にある基礎的な縫製技能に関する内容の部分の英訳を行い,教材としての活用を検討しながら準備を進めた。 またシエラレオネの生徒たちに日本という国のこと,日本の衣生活を知ってもらうため,日本国内で着なくなった着物を収集し,教材として活用する準備をした。現地では生徒たちが和服生地を用いた小物を縫製する授業内容を考案し,2024年2月末から3月にかけて,シエラレオネの職業訓練校の縫製技能習得コースの初級クラスの授業において実践した。渡航計画が予定よりも遅れたが,2024年2月に現地での授業実践が行えたことから,2024年度までに延長した計画としては,概ね順調に進展していると考えている。2024年度には開発した教材の成果と教育方法の在り方を検証したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年2月から3月にかけて,延期していたシエラレオネでの教育活動を実践することができた。本研究を構想した2020年の訪問時の応用クラスには,それなりの台数のミシンが整備されていたが,初級クラスのミシンは十分ではなかった。しかし今回の訪問では,スペインを主とする教育援助により,初級クラスでも生徒一人一人がミシンを使用する環境が整備されており,授業が効率的に行える環境になってきたことを確認できた。 また研究代表者が以前の訪問時に試行的に教えた,あずま袋などのさまざまな形状の袋物は,土産物用のバッグとして応用クラスの生徒たちが定期的に製作する工程が取り入れられていることがわかった。それらは製品として他国において販売されるレベルの精度にまで向上していた。応用クラスの生徒たちに聞いたところ,報酬も支払われ彼女たちの自立とモチベーションの向上につながっていた。しかし初級クラスの技能はまだそのレベルではなく,自立に対する意識も低いことを認識した。 職業訓練校の校長と今後の教育方針について討議する機会も得られたことから,今後は初級クラスの生徒たちにも縫製技能の向上が自立につながるという意識を啓蒙することが重要であることがわかった。また現地の授業では,和服生地にふれ,研究代表者の生活する日本という国の説明も行った。生徒たちは日本だけでなく,アフリカ以外の国のこともほとんど理解していなかった。しかし,生地や私という存在に接することで,異国への興味関心を示した生徒もいた。このような私自身の体験を,生活を対象とする教科である家庭科を学ぶ日本の学生たちに伝え,生活を学ぶということに対する理解を深めさせるだけでなく,シエラレオネの生徒たちの興味関心を喚起する教材を構想できるよう教育展開し,衣生活教育力のみならず,生活教育力の向上に寄与できる資質・能力の習得に繋げたいと考えている。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)