Verification of the Usefulness and Validity of the Ethnometry Method through its Application to the Analysis of Moral Education
Project/Area Number |
21K02170
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤川 信夫 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (10212185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸橋 静香 島根大学, 学術研究院教育学系, 教授 (10325037)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 道徳授業 / 身体表現 / 自分ごと化 / ベイズ法 / 道徳 / 道徳科 / 効果測定 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、身体表現の短期的・長期的推移を明らかにする動画分析法「エスノメトリー法」(研究代表者による開発・命名)を用いて、小学校のあるクラスでの道徳科の授業内容の「自分ごと化」が児童のどのような可視的行動で表現されるのか(教師がそう判断しているのか)、そうした表現が授業の進展とともにどう推移するのかを明らかにするとともに、授業担当教師に対する事後インタビューと授業内で児童が記した「道徳ノート」のテキストマイニングによって、「エスノメトリー法」の妥当性と有用性を検証することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、すでに2022年度に、調査で得られた数値データに対して、帰無仮説を設定し有意性の有無を明らかにする一般的な統計分析(ブルンナー・ムンツェッル検定)を行った。その結果、①道徳科の授業における「自分ごと化」を促す発問の後で、児童の身体表現(指標)の出現/観察頻度は有意に上昇したか、②ベテラン教師による授業実践(ある種の校内研修)は、若手教師による授業実践に模範として機能したと言えるか、③エスノメトリー法による分析結果は、教師による授業の自己評価を支持しうるかという3つの調査課題について肯定的な結果をえることができた。 2023年度には、同じデータに対してベイズ法を適用し、教師からの「自分ごと化」を促す発問の前後で児童集団に生じた身体表現の変化を、より詳細に分析した。具体的には、今回の分析では、①教師の影響(若手/ベテラン)、②発問の影響(発問前/後)、③観察者の影響(通常精度/高精度)という3つの要因を設定した。また、児童集団を、授業に関心がある群(I群)と関心がない群(D群)に分けて分析を行った。 その結果、それぞれの要因について以下の点が明らかになった。要因①:ベテランの授業は若手の授業に比べてI群に属する児童が多く、かつ、I群の身体表現の頻度も高い。要因②:発問はもともと授業に興味のないD群の集中を促すわけではなく、さらにI群の身体表現の頻度を上昇させるわけでもない。要因③:高精度の分析では、通常精度では発問に反応していないと判断された児童の反応を捉えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに2022年度には、本研究の中核部分であるブルンナー・ムンツェル検定による分析結果を教育哲学会第65回大会のシンポジウム(研究討議)において発表し、2023年度には同シンポジウムの報告論文を同学会の『教育哲学研究』第127号に掲載した。さらに2023年度には、同学会の英文ジャーナルE-Journal of Philosophy of Education: International Yearbook of the Philosophy of Education Society of Japanの第8巻にて公表した。 なお、当初の研究計画では、授業後に児童が作成した「ふりかえりノート」に対するテキストマイニングを予定していたが、新型コロナ感染拡大等に関連し計画遂行が困難となったた。そこで、上記の研究で用いた同一のデータに対して新たにベイズ法を適用し、より精緻なデータ分析を行うこととした。2023年度中には、調査で得られた全データについてベイズ法によるデータ分析を終えることができており、ほぼ計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、新型コロナ感染拡大等に係る延長申請により最終年度が2024年度となる。2024年度には、ブルンナー・ムンツェル検定とベイズ法による統計分析の結果を総合し、報告書を作成する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)