政治的軋轢に対して耐性のある「友情」の概念考察研究
Project/Area Number |
21K02180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
井手 華奈子 創価大学, 教育学部, 准教授 (30532444)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | Friendship / Philosophy of Education / Feminism / peace education / private level diplomacy / Okinawa / American Military / Indigenous Philosophy / friendship / Military culture / Philanthropy / moral education / 教育哲学 / 平和教育 / 概念研究 / 友情 / 政治哲学 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、対立関係にある人々の間を平和的に取り持つことが可能な共生の思想に貢献するために、特に「友情」について概念考察することである。具体的には、在沖縄米軍人配偶者と沖縄の地元女性の間の友好交流史の事例を通じて、Political Friendshipの概念を発展させる。(A)政治的軋轢に一定の耐性をもつ「友情」の所在を明らかにすること、(B)その「友情」の特徴を描くこと、(C)その「友情」が芽生えたり、育まれたりする諸要因について分析すること、(D)その「友情」は社会的・教育的・道徳的に価値があることを論証すること、以上の4点である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績には大きく4点があげられる。第一に、"Teachers and Philosophy: Essays on the Contact Zone (Tentative Tile)"のbook projectの内、一章分を執筆した。一年以内に最終稿を完成させ、書籍のbook chapterとして出版される予定である。第二に、こちらのアーティクルを執筆した具体的な状況の詳細に整合性があるかどうか、証拠の最終確認や新たな資料の提供を受けるために現地への研究出張を遂行した。資料収集においては、出張直前に貴重な証言者が犠牲になられるという悲劇も起きて、コロナの影響を大きく受けてしまったが、なんとか確認すべき最低限の歴史的資料については、研究に惜しみなく協力してくれる現地の人々の厚意によって、証拠の確認作業や裏付けを取ることができた。第三に、デンマーク・コペンハーゲンのオーフツ大学で開催された国際会議、International Network of Philosophers of Educationにおいて、研究発表をおこなった。こちらの国際会議出席においても、コロナ禍の影響は決して小さくなかったが中間報告をヨーロッパと北欧の聴衆を前に研究発表できたことは、さまざまなフィードバックを得られたという点から大変有意義であった。第四に、オーストラリアのシドニーで開催された国際会議、Philosophy of Education Society of Australasiaにおいても中間発表として研究発表をおこなった。こちらでは、往路でパイロットが陽性になり飛行機が二四時間も遅れたせいで、発表スケジュールの変更が直前で起こるという、小さくないコロナの影響を受けたが、リスケジュールされた時間帯での発表でも先住民哲学研究者から様々なフィードバックを得られたため結果としては有意義な研究発表をおこなうことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国際会議において二回発表する機会を得られたこと、研究論文の執筆も内の一本はbook chapterとして出版がすでに決まっていることはよい点であるが、コロナ禍の影響を大きく受けているため、資料収集や証拠の確認が難航している点、国際学術誌に論文を投稿して通すためにはまだまだ精進していく必要があるため、総合すると「やや遅れている」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
パンデミックは一旦落ち着いた様子であるが、資料収集においても、また、国際会議で意見交換をおこなう場合でも高齢者と接する機会が必ずあるため、感染症対策については継続して警戒を解かず、細心の注意を払いながら慎重に協力をお願いしたり、フィードバックを得たりしたいと思う。 本年度においては、遅れている資料の収集を堅実に遂行すること、また国際会議での発表は最低二回できるように準備しながら、最終稿としての国際学術誌への論文投稿まで準備できるように精進する。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)