教育委員会のエビデンスに基づくアウトリーチ型の対話的指導行政の実践的開発研究
Project/Area Number |
21K02201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
坪井 由実 愛知県立大学, 教育福祉学部, 名誉教授 (50115664)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 教育委員会 / アウトリーチ型指導行政 / スクールソーシャルワーカー / 服装規定の見直し / 学校づくり会議 / スクールロイヤー / 子どもの権利アドボケイト / 学校の民主主義 / 教育委員会制度 / 教育長 / 指導主事 / 教育指導行政 / 教育ガバナンス |
Outline of Research at the Start |
本研究は、教育長や指導主事等が学校に赴き、学校が直面する課題を教職員や保護者から直接聴くなど対話を通して、省察的学習による協働的関係性を築く「対話を重視したアウトリーチ型の指導行政」を実践的に探究し、そのプログラムを開発することを目的としている。開発にあたっては、可能な限り市町教育委員会と研究協力協定を結び、この5年間の科研共同研究で創作した学習環境調査票を生かし、エビデンスに基づく対話的指導助言により、学校づくりの当事者である教職員、保護者・住民の教育統治能力の向上をめざす。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、保護者・住民と教職員の教育統治能力を引き出し、子どもを真ん中に学校づくりをすすめている3つの取り組みについて、観察調査活動をすすめた。 第一に、2022年5月から8月にかけ、X県の2つの県立高校における服装に関する校則の見直しをめぐる学校の対話的実践を面接調査した。見直し自体は、県の「服装規定の見直し」を求める通知がきっかけであった。校長も、県の指導にしたがって生徒参加を取り入れた対応をした。ただ、2校それぞれで、校長、指導教員若干名と取り組みの中心になった生徒数名との懇談で、この取り組みのなかで、生徒たちと教職員の間に大きな変化がうまれていることが分かった。生徒間あるいは生徒と先生との間、さらには生徒と保護者との間の対話的実践のなかで、生徒は生徒の意見を聴き一緒に考えてくれている教師たちとの信頼関係を深めている。また、教師も保護者も、自分たちおとなの子ども観、生徒観が少しずつ変わっていったこと、特に生徒たちの持っている学びを中心とした学校生活における主体性を感じ取ったという。 第二に、8月18日、昨年に続いてスクールソーシャルワーカー(SSWr)4名を囲んで、子どもと家庭支援の事例をそれぞれ1ケースを取り上げ、報告いただいた。SSWrの支援により、子どもはどう学びへの意識が、学びの環境(人間関係を含む)の改善のなかで芽生えていったのか事例をもとに検討した。また、同様に、保護者の教育統治能力を高めていった事例についても検討した。 第三に、南部町教育委員会の福田教育長と水嶋指導主事に、四者による「学校づくり会議」と教育行政の役割について、オンラインでインタビュー調査を実施した。その内容は、『季刊教育法』215号に掲載されるとともに、2022年12月4日に開催された第21回「開かれた学校づくり」全国交流集会では、福田教育長自身にオンラインで発表いただいた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で四者の対話による学校づくりの実践的な研究計画は根本的に変えざるを得ない状況のなかで、本研究の核心をなす学術的問いを新たに深めていくことはできたように思う。すなわち、わが国の2015年度以降の新しい教育委員会制度のもとで、保護者・住民と教職員の教育統治能力を引き出し、協働して学校づくりを進めるために、どのような教育指導行政を創造していくかである。X県の2つの高校における生徒や教職員との懇談では、自分たちで決定したり選択したりする力ないし能力を「エージェンシー」として位置づけ取り組んでいることが話題となった。これは、生徒の自己統治能力、すなわち、かけがえのない高校生活をより快適な服装ですごしたいと校則改正に主体的に取り組む力の形成として捉えることができるのではないか。
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Strategy for Future Research Activity |
アウトリーチ型の教育指導行政のめざす学校像は、児童生徒と保護者と教職員による対話のある学校である。と同時に、鳥取県南部町の実践にみられるように、高校生サークルから青年団に至るまで、若者たちがまちづくりに主体的にかかわっていくしくみ「青年議会」を組織し、若者の社会統治能力を生かし育てていく取り組みにも注目して観察、面接調査をすすめていきたい。また、引き続き、スクールソーシャルワーカーやスクールロイヤーなど教育関係専門職との連携のなかで、教育委員会の教育指導行政の質的向上をはかっていくしくみを開発していく。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)