ポストコロナ社会における格差是正・包摂と社会教育プラットフォーム構築の比較研究
Project/Area Number |
21K02216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河野 明日香 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (10534026)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 社会教育 / 中央アジア / ポストコロナ社会 / 比較研究 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、ウズベキスタン、インドネシア、英国、ブラジルの社会教育の歴史的変遷と理論を把捉、明示し、対象国内の格差是正の具体的事例を中心に社会教育実践を調査し、各国の包摂の取組みを描写する。その結果を分析し、対象国間の比較を行い、社会教育実践での格差是正と包摂の取組みの特質・共通点、実践知を抽出する。さらに、4カ国で展開されている格差是正・包摂実践を事例に、各国の社会教育理論、実践知の国際的援用について検討する。最終的に、ポストコロナ社会における格差是正・包摂を可能にする社会教育プラットフォーム構築の枠組みと方法を解明し、その理論化を行うとともに、社会実装に向けたさらなる発展を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、関連資料の収集・分析を進めるとともに、海外調査を2回実施した。まず、2023年8月に英国及びアイルランドにおいて調査を実施した。具体的には、英国・マンチェスター郊外における高齢者の社会参加や地域活動、サークル活動についての調査を実施し、高齢者の孤立・孤独を防止するために地元の市民団体が高齢者向けに展開している活動について調査を行った。アイルランドでは、子ども・若者の支援団体の調査を実施し、子ども・若者に対するメンタルヘルスの支援を行っている団体を訪問し、責任者、ソーシャルワーカーへの聞き取り調査を実施した。また、地域社会における子ども・若者の居場所支援の団体についても調査を行い、子ども・若者支援のセンターの視察と責任者、スタッフに対する聞き取り調査を行った。 第2回目の調査は2024年3月に英国で実施し、スコットランドのエジンバラ大学School of Social & Political Science及びCentre for Research, Education, Inclusion and Diversityを訪問し、同大学に所属する研究者への聞き取り調査を実施した。これらの海外調査により、ポストコロナ社会のヨーロッパでの孤独・孤立支援など社会的弱者に対する包摂の取り組みが多様な形で展開されているが、法制度の整備や予算、関係の専門職の養成、関係機関と地域社会の連携・協力など、さまざまな課題が残存していることが明らかとなった。スコットランドと日本に共通する課題もあり、今後の研究教育交流や共同研究の促進の必要性が改めて浮き彫りになったといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で調査対象としているウズベキスタンなどの対象国における現地調査対象機関及び調査対象者との調整に時間を要し調査実施準備が進まず、現地での調査実施が困難であったため。また、インターネットからは入手ができない現地資料、学校教育における教科書、教材などの収集の実施ができなかったため。インターネットで公開されている資料や先行研究分析、ウズベキスタンの研究者との意見交換や情報交換によって、近年のウズベキスタンでは生涯学習の制度化が進められており、複数省庁間で生涯学習に関する戦略についての議論が展開されようとしている点などを把握できた。本研究の中心テーマである、社会教育や生涯学習プラットフォームに関わる議論の萌芽がある点と考えられるが、実際に生涯学習の現場で活動を実施している専門家や行政官に聞き取り調査を実施し、その実態を把握することは困難であった。ウズベキスタンなどでの現地調査をもとにした実際の学習の実態の把握、分析、現地の専門家など関係者への調査を実施することができていないため、次年度はこれらの調査を実施したい。
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Strategy for Future Research Activity |
調査対象国の状況を踏まえ、年度の前半に現地調査を実施することを計画し、準備を進め、調査を実施する。また、継続してオンラインミーティングや訪日する研究者との情報交換などの機会を活用し情報収集、資料収集を行う。これらの資料や情報を踏まえ、現地調査で得たデータをもとに、ウズベキスタンでは生涯学習の制度化の進捗、行政機関間での生涯学習戦略の実態、実際の生涯学習の場の現況とICTなどを活用した新たなプラットフォームの状況について分析を行う。ウズベキスタンでは、具体的には学校や生涯学習の場などの教育機関、関連の行政機関、市民社会組織などでの調査を計画していく。欧州などの地域においても、これまでの調査データをもとに、新たな社会教育、生涯学習プラットフォームの進展や人々の学習形態の変容、格差是正の方策などについて分析を進めていく予定である。これらの調査を通じて、ポストコロナ社会における格差是正・包摂の実態と社会教育プラットフォーム構築について総括する考察を行う予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)