ニヒリスティック・ケイパビリティに着目した人間形成観の拡張と提案
Project/Area Number |
21K02217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
相澤 伸幸 京都教育大学, 教育学部, 教授 (20331259)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 教育哲学 / 道徳教育思想 / ハーバート・スペンサー / 森有礼 / 人間形成 / ニヒリスティック・ケイパビリティ |
Outline of Research at the Start |
社会変化のスピードが加速する中、今日の教育思想の基盤や前提を多角的・重層的に問い直し、教育学の現代的意義を再構築することは必要不可欠なことである。 本研究は教育思想の中でも人間形成観に焦点を当て、その思想を現代の仕様へと拡張し、社会へ提案することを目的としている。その目的を実現するために、海外での調査や理論研究を通して、矛盾や対立を含む状況下でも責任を持って事象に臨み、問い続ける能力であるニヒリスティック・ケイパビリティ(Nihilistic Capability)を追究・分析し、これからの教育を語る上で欠くことのできない観念として提案したいと考えている。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「ニヒリスティック・ケイパビリティ」という新しい理念を提唱し、その理念を教育学の構造の中に織り込んだ上で、従来の人間形成観・教育観を変容し提案することである。その対象(前提)となる近代の教育学に関する学的基礎づけを重層化するために、まず近代西欧の教育学と科学や教育思想等がどのようにして融合されて形成されてきたのか、その端緒を探究することにした。その端緒の1つとして着目したのが、H・スペンサーである。ロマン主義とも啓蒙主義とも異なる独自の教育思想は、進化的思考も踏まえてのことであり、自然や発達に価値を与える今日の教育学的言説の隠れた源流になっていると考えたためである。 スペンサーに関しては、今日ほとんど教育哲学の分野でも論じられる機会は少なくなっている。しかし、20世紀に大きな潮流となった「自然」や「発達」といった概念の固定化に大きな役割を果たしたデューイや、彼に先行する思想家としてのルソーといったトラディショナルな教育哲学とは異なる、あまり着目されないようなわずかな徴候が、スペンサーの教育思想には潜んでいるとみている。このような問題意識を持ちながら、日本における西欧の教育思想受容もあわせて分析することで、まとめにくく曖昧な全体像を俯瞰することに取り組んだ。 予定としては日本やヨーロッパでの調査研究をはじめに行う予定ではあったが、COVID-19の影響がまだ大きく、海外や国内の移動が制限されたため、昨年度に引き続き、今年度も文献を中心とした研究手法を継続し、論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の影響のため、国内外での調査は中止せざるを得なかったが、成果として執筆した論文も発表できたことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の影響を見極めながら、研究会や関連学会での活動を再開し、当初の計画に沿って研究を推進する。また、海外での調査の準備をする。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)