CLD児の「母語」習得過程に現れる困難・障壁とその克服のアクション・リサーチ研究
Project/Area Number |
21K02244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Fukuyama City University |
Principal Investigator |
劉 郷英 福山市立大学, 教育学部, 教授 (20434904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 方資 東京家政学院大学, 現代家政学部現代家政学科, 教授 (30569827)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | CLD児 / 言語学習 / 発達保障 / 子どもの権利 / アクション・リサーチ |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、Culturally Linguistically Diverse Children (以下、CLD児)の「母語」を学習していく過程での困難の原因を観察・探求し、これを踏まえ、アクション・リサーチの手法を通じて、「母語」学習のために求められる実践的な取り組みや、この学習を困難にしている障壁への取り組みをしながら省察を重ねる。こうしてCLD児が「母語」を学習し、発達していく権利の保障のために求められる実践上の課題と、実践の中で明らかになる障壁を克服していくための課題を明らかにすることである。
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Outline of Annual Research Achievements |
1、関連文献・資料の収集・吟味:去年度に引続き、Culturally Linguistically Diverse Children (以下、CLD児)の「母語」習得についてアクションリサーチを進めるうえで、重要とみられる文献を収集し、講読した。併せてCLD児を対象として進められている学習支援の実践例や政策についての文書の収集をした。2、訪問調査:コロナ禍が去年度ほどではなかったことを受けて、今年度は、本研究のアクションリサーチを進める目的で、愛知県名古屋市、西尾市や豊田市のプレ・スクール、および外国人児童生徒の学習言語の習得支援事業を訪問調査した。そこでの実践を観察し、および実践者のインタビューを実施し、報告書を作成した。3、アクションリサーチ:去年から引続きで3件の子ども・その保護者の研究協力を得て、アクションリサーチを断続的に実施した。これについても、今年度はコロナ禍がやや和らいだことを受け、回数を去年度より増やすことができた。このリサーチは昨年度と同じ二人の研究協力者により実施されおり、フィールドノートを蓄積している。このノートは、二人の研究協力者、研究代表者、および研究分担者とで共有され、研究・分析の材料となっている。4、学会発表・論文の状況:3の蓄積を分析し、今年度は二本の論文「CLD児の『母語』習得過程に現れる困難・障壁とその克服に関する研究:事例検討①」「CLD児の『母語』習得過程に現れる困難・障壁とその克服に関する研究:事例検討②」を執筆した。また、本研究のための基礎研究として田中昌人・田中杉惠による理論の講読を進め、翻訳出版をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、去年度に比べると、アクションリサーチの実施回数を伸ばすことができた。蓄積していたアクションリサーチの分析と研究を進めることができ、論文の執筆をした。また、CLD児への支援実践の調査のため、愛知県へ赴き、プレスクールの実践の観察、及び実践者へのインタビューを実施することができた。CLD児への支援や発達について研究した文献の収集や講読には力を傾けることはできた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も、蓄積されたアクションリサーチのノートを分析し、CLD児が「母語」を学習していく過程での困難の原因を引き続き探求し、これに基づきながら「母語」学習のために求められる実践的な取り組みを重ねる。併せて、この学習を困難にしているCLD児のまわりに立ちはだかる障壁を明らかにし、これに対する取り組みのあり方を省察していく。特にアクションリサーチにより、学校教育現場等でCLD児が学習の場で経験している「ブラックボックス」の中身が明らかになることが期待される。発達保障論の知見を検討しながら、CLD児へのアプローチも検討していく計画である。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)