Project/Area Number |
21K02252
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
松田 正貴 大阪電気通信大学, 共通教育機構, 准教授 (30516662)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 墨ぬり教科書 / 教科書の削除修正 |
Outline of Research at the Start |
墨ぬり教科書の歴史的意義を考察する従来の学術研究には、それぞれの研究者が個人的に所有している墨ぬり教科書の現物にもとづく検証が多かった。しかし、墨ぬり教科書にはさまざまなヴァリアントがあり、その歴史的考察となると、実際はかなり包括的な調査が必要になる。とはいえ、墨ぬり教科書の現物が現在どこに、どれだけ、どのような状態で所蔵されているのかについてはいまだ不明な点が多い。本研究では、過去に墨ぬり教科書の展示を行なった国内およそ60の公的機関を中心に現地調査を行ない、墨ぬり教科書の現状を把握し、そのデータにもとづいた総合目録を作成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は34の公的機関において、墨ぬり教科書の現物、さらに関連資料等の閲覧・撮影を行なった。現時点で、350点の墨ぬり教科書の所在が確認できており、初等科については、ほぼすべての教科科目について墨ぬり教科書の状況を知ることができた。 さらに国語、音楽、図画などは同じ教科科目でも複数のヴァリアントが存在し、削除修正箇所の比較検討を行う準備が整った。墨ぬり教科書は児童・生徒の手によるものだけではなく、教師がみずから教師用書などに削除修正を施していたことも具体的なかたちで把握することができるようになった。一見、児童・生徒が削除修正を施したように見える教科書も、抹消作業は教師が行なっていた可能性があるということも見えてきた。 また、削除修正箇所の指示については、文部省からの通牒というかたちと、中央講習会から地方講習会へと伝達されるかたちに分かれる。基本的には、各都道府県の師範学校の教員が地方講習会で各学校長に削除修正箇所を伝えていたと思われる。とはいえ、どのルートで削除修正箇所の指示が通達されたとしても、各学校の状況は千差万別で、場合によっては教科書の文言を削除修正している余裕などなかったところもあった。現時点で確認できている墨ぬり教科書の現物からも、削除修正が統一的に実施されたようには思われない節がうかがえる。引き続き、削除修正箇所の検証を進める必要がある。 最終年度である2024年度は、初年度の遅れを取り戻し、さらにこれまで調査を進めてきた墨ぬり教科書の実態についてまとめる作業を行なう。国民学校において使用された教科書の墨ぬりは、これまで「復刻版」でしか確認できなかったが、この研究によって、現物でそれが確認できるようにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大による初年度の影響がまだ取り戻せていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は助成を受けることのできる最終年度となる。可能なかぎり当初の計画に見合うかたちで研究をすすめ、成果物を出版するつもりだが、初年度の遅れが取り戻せない場合は、期間を一年延長せざるをえない。
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