近現代日本における私立学校の設置形態に関する研究-戦前・戦後の連続性に着目して-
Project/Area Number |
21K02268
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
大迫 章史 東北学院大学, 教養学部, 教授 (60382686)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 学校法人 / 財団法人 / 設置形態 / 私立学校 / 文教政策 / 新制大学 / キリスト教主義学校 / 戦後教育改革 / 私学経営 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、戦前の財団法人制度と戦後の学校法人制度の連続性に着目することで日本の私立学校の設置形態の特質・特徴を明らかにしようとするものである。 具体的には、文教政策関係者の私立学校経営に対する認識を史資料にもとづき分析することをとおして、戦前の私立学校の設置形態である財団法人が有する経営上の問題点を解決する形で、戦前との連続性をもちつつ、戦後新たに学校法人制度が確立されたことを実証していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、本科研費研究の2年目として、私立学校の設置形態に関する史資料収集を中心として研究に取り組んできた。以下、今年度における研究成果について述べていくこととする。 研究1年目である昨年度は、研究の遂行に当たって、不可欠であった史資料収集のための出張がコロナ禍により制限されたが、今年度は、私立学校並びに公文書館等に出張を実施することができ、必要な史資料を一定程度収集できたことは大きな成果であった。具体的なところで述べれば、戦時下における財団法人のあり方について、私立学校全般と具体的な事例としての私立学校に関する史資料を収集することができた。あわせて、戦前から戦後にかけ、財団法人から学校法人へとその設置形態を変更していく過程に関わる史資料を収集することもできた。また、収集はかなわなかったものの、史資料の所在を確認できたことも成果としてあげておきたい。 これにより、戦前の私立学校の設置形態である財団法人と戦後の私立学校の設置形態である学校法人の連続性と非連続性を明らかにするという本研究の目的達成に向けて、今後の研究の進め方などに関する目処が立ったところである。具体的には戦前における財団法人の有した問題性が、戦後の学校法人というある意味で特殊な法人形態を創出する重要な契機となっていたのである。これを裏付けるための史資料については、その存在が不明瞭な点があり、これについては引き続き確認を続けていくこととしたい。 また、具体的な研究成果として、上記収集した史資料を活用して、私立学校の設置形態に関する研究論文ないし研究発表の形で残すことはできなかったものの、来年度の研究論文執筆ないし研究発表に向けての準備を進めることができたことは成果としてあげられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
【研究実績の概要】のところでも記したように、昨年度予定していた史資料収集が実施できていなかったが、今年度はこれを私立学校や公文書館に対して実施し、史資料を収集することができた。これは本研究を遂行する上での検討材料を得るという点においてきわめて重要な部分となってくるが、この点で史資料収集を実施することができた成果は大きいものがある。しかしながら、戦前の私立学校の設置形態である財団法人と戦後の私立学校の設置形態である学校法人の関係性を具体的に示してくれる史資料を収集することはできていない。 しかし、当然のことながら、本研究は戦前と戦後の私立学校の設置形態に関する史資料を収集することが目的なのではない。そのため、本来であれば、今年度は収集した史資料を分析し、研究成果として論文や発表の形にすることが求められていたが、これについては、その準備を進めることはできたものの、具体的に公表することはできなかった。 あわせて、こうした状況のなかで、これまでできていなかった本研究を遂行するために必要とされる史資料の収集は一定程度実現することができているため、本研究の目的を達成するという点に関しては見通しをもつことができた。 上記のように、本研究の課題を検討していくために必要不可欠な史資料を収集できたという点で昨年度までの遅れを取り戻すことはある程度できているものの、今年度予定していた形(研究論文や研究発表の形で公表するということ。)で本研究を進めることができたわけではないため、その評価を「(3)やや遅れている。」としている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、本研究の最終年度であることをふまえ、これまでの遅れを確実に取り戻しながら、研究を進めていかなくてはならない。なお、現在のところ、大きなところで本研究の計画を変更する必要性は認めていない。 これについて、第一に、引き続き、補足の私立学校および公文書館等に出向き、史資料収集調査を実施する必要がある。【現在までの進捗状況】のところでも述べたが、戦前と戦後の私立学校の設置形態の連続性を明確に示してくれる史資料の収集に努めなければならない。あわせて、当該史資料が収集できなかった場合のことを考えると、これを傍証していく必要性がある。傍証していくための史資料はすでに収集できているものもあるが、本研究の目的を達成するためにはより説得性をもたせる必要があることから、こうした史資料の収集も視野に入れつつ、本研究を遂行していくこととしたい。 第二に収集した史資料の検討ならびに分析と研究成果の公表である。これについても【研究実績の概要】や【現在までの進捗状況】のところで記したように、研究論文ないし研究発表の形で公表するために不可欠な作業である。ひいては、本研究の目的を達成することにもつながっていく。そのため、これまでの2年間の取り組みをふまえ、最終年度として、具体的な研修成果として取りまとめていくこととを考えている。具体的なところで述べれば、私立学校をめぐる文教政策とこれに対する各私立学校の対応を関連づける形で、戦前と戦後の私立学校の設置形態の連続する点と非連続の点を明確にすることが求められることになる。 来年度は、上記作業を着実に実施し、本研究に掲げる目標を達成することとしたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)