Project/Area Number |
21K02393
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
|
Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
佐近 慎平 新潟医療福祉大学, その他部局等, 准教授 (70570589)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 浩 西九州大学, 健康福祉学部, 准教授 (20375463)
西原 康行 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (50339959)
杉崎 弘周 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (30612741)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
|
Keywords | 四肢運動 / 幼児 / 高這い / 保育者 / 四肢運動技能 / 保育環境 / 協応動作 / 協調運動 / 四つ這い(高這い)走 / 転倒時の顔面外傷予防 / 環境構成 / 四つ這い位 / 四足走行 / 運動発達 / 教材開発 |
Outline of Research at the Start |
本研究チームは5mの四つ這い位走行計測を実施し,記録が速い保育園児は,「Pace」から「Trot」「Single」の表出に伴いリズムが変化し、バランスが不安定な状態となるも,四肢協応運動により顔からの転倒を防いでいることを認めている.本研究では,四つ這い位の四肢協応運動を用いて,幼児の転倒時の顔を守るために手をつく動作の指導法の確立(課題1),保育者による幼児の転倒時の顔を守る動作の指導法の確立(課題2)を解決し,こどもの顔面外傷の予防に加え,協応性の向上が運動好きのこどもを増やし,さらに,保育者による幼児の転倒時に顔を守る力の指導法ついて明らかにする.
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では四肢運動を用いて幼児の転倒時の顔を守るために手をつく動作の指導法の確立【課題1】,保育者による幼児の転倒時の顔を守る動作の指導法の確立【課題2】,保育者の運動指導の機会拡大【課題3】を解決し,保育者による幼児の転倒時に顔を守る力の指導法について明らかにすることを目的としている. 保育園5歳児・4歳児25名を対象にとして,四つ這い位の四肢協応運動(走行)をビデオカメラで側面から撮影し,四肢走行を上肢下肢の地面への接地・離地を基準として動作分析し,①「2点支持・交差:Pace」,②「2点支持・片側:Trot」,③「1点支持:Single」,④「3点支持:Triple」,⑤「跳び:Gallop」の5種類に類型化した.次に,不安定な状態「1点支持:Single」は「②→③→①」のサイクルで出現する傾向があり,「1点支持:Single」時に転倒しないように調整している様子が確認された.このサイクルは顔面外傷を予防する際に手をつく動作の学習要素と考えられる. A市11保育園に通う保育園児の年長(6歳児,5歳児)の196名(男児89名,女児107名)を対象として,保育者による四肢運動の効果検証を四肢運動環境頻度をサーキット等で実施(週1回以上)群は59名,遊戯室等の移動導線上に常設(ほぼ毎日)群は97名,未実施群は40名の3群に分けた.独立変数を四肢運動環境(3群),従属変数をMKS幼児の運動能力検査の評定点とする,対応のない1要因の分散分析を行なった.結果,統計的に有意な主効果が認められ,多重比較の結果では,体支持持続時間が遊戯室等の移動導線上に常設(ほぼ毎日)群の平均点は,他の2群よりも有意に高かった.体支持持続時間には,四肢と体幹群の協応性,協調運動が必要であり,本研究で開発した四肢運動環境構成の効果が検証された.以上の成果は国内学会等で発表,投稿し一定の評価を得た.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、開発した四肢運動動作プログラム・環境設定による保育者の運動指導の機会拡大【課題3】について、保育者自身によるの幼児の四肢運動の指導実践を公立保育園など27園の保育者46名を対象に実施して、アンケート方式で四肢運動に関する項目(評価の視点,期待できる効果,関連のある保育活動)を聞き取った.対象を保育経験年数によって5群に分け検証した.分析はテキストマイニング手法を用いた. 結果,保育者によっては四肢運動の評価の視点と四肢運動に期待できる効果とが連動していないことが明らかになった.保育者は、四肢運動の効果に関して感覚ではイメージがあるが言語化には差が見られ、スポーツ科学の観点から根拠を説明する必要が示唆された.特に保育経験が10年未満の保育者は,四肢運動による期待できる効果を言語化することが難しい傾向が見受けられた.一方で,保育経験が20年以上の保育者の中には,四肢運動と保育において,幼児の主体性を尊重した運動遊びや環境構成方法に関する深い洞察と造詣を持つ者が観察された. 新型コロナウィルス感染症蔓延の影響により、介入研究が予定通り進まず、精度の高い結果を導き出せるよう、現場の保育者、教育委員会・こども課と相談しながら研究を進めた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,保育者が指導する四肢運動指導効果を検証する.特に新型コロナウィルス感染症蔓延の影響により,介入研究が予定通り進まなかったため,保育者,教育委員会・こども課と相談しながら,開発した四肢運動動作プログラム・環境設定による保育者の運動指導の効果検証を進める.研究対象の性質上,厳密にコントロール群を設けることは難しいが,各園の保育計画と照合し,協力の得られている約15園と協働で介入研究の精度を高めたい. 特に,開発した四肢運動動作プログラム・環境設定による効果は,バランス能力,体幹群の機能が影響する体支持持続時間において,一定の成果を確認しており,引き続き検証を進める.保育者の指導方法においては,熟達度によって,四肢運動の評価と効果に関するみとりが異なることが明らかになったため,指導するために四肢運動に関する理解を深めるための教材開発を行い,保育者による幼児の転倒時の顔を守る動作の指導法の確立,及び,保育者の運動指導の機会拡大を検証する. 以上の成果は国内学会等で発表,投稿する.
|