Project/Area Number |
21K02406
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
中橋 美穂 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30291876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 美里 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 准教授 (80626747)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 子ども理解 / エンゲージメント / 観察法 / ICER-R / IECR-R |
Outline of Research at the Start |
環境による保育を実践するためには、主観的な視点だけでなく、量的な事実(客観的な視点)を組み込んだ子ども理解が重要となる。そこで子どもの環境との関わりを量化する観察法Individual Child Engagement Record(ICER-R)の日本語版(以下、ICER-R(J)とする)を作成する。そして、ICER-R(J)が、①子どもの環境との関わりを促す活動や要因を探求した保育者の子ども理解や支援、②子ども理解に必要なエビデンスに基づいた保育実践を遂行する能力の形成、③養成段階の学生に子ども理解から始まる保育を実践する力の養成の3点に寄与する観察法であることを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
「エビデンスに基づいた子ども理解のための観察法の開発-ICER-Rを活用して」研究の3年目は、①ICED-R(J)の作成、②研修教材(VTR)の作成、③保育者を対象としたエビデンスに基づく保育実践サイクルを実施するための事前トレーニングの三点に取り組み、一定の成果があげられた。 ①については、2022年度に共同研究者でICER-R開発者のKishida氏、研究分担者及び研究協力者である附属幼稚園の教諭らと協議を行い作成されたものを、実際の研修で使用し、違和感なく使用されることが確認できた。ICER-Rのマニュアルの日本語版作成についても、最終版作成を行う。 ②については、2022年度からの継続した取り組みである。研修で使用するVTRは、一人の子どもに着目しながら5分程度の映像教材で、a:自由遊びの場面、b:一斉活動の場面、c:生活活動の場面など3場面のバランス、観察項目(4つの関わり・人との関わり・ 身体的プロンプト)の出現数のバランスなど、観察法の習得に適した映像教材となる必要がある。研究代表者と研究分担者でVTRを収集し、それを共同研究者のKishida氏と3人で精査し、9本のVTRを選出した。しかしながら、コロナの影響がなくなったわけではなく、子どもたちがマスク着用であることなど、映像教材作成に課題は残った。 ③については、保育者を対象としたエビデンスに基づく保育実践サイクルを実施するための事前トレーニングを行った。観察法の指導及び②で作成・精査したVTRを用いて、5名の保育者の協力のもと実施した。4時間の事前トレーニングの中で、参加者5名のICER-Rを用いた観察のためのスキルは、おおよそ習得できている結果となった。なお、今回は5分の観察であるため、今後10分の観察における一致度は確認していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度は、前年度に実施した保育者及び学生を対象としたICER-R(J)を用いた事前トレーニングに続けて、その信頼性を検討するとともに、保育者を対象としたエビデンスに基づく保育実践サイクルを実施する予定であった。しかしながら、保育者の信頼性の検討は行えたが、保育実践サイクルの実施及び学生を対象とした信頼性の検討が実施できなった。その理由は、観察法の習得に適した映像教材を十分に準備することに時間を要したためである。必要な映像教材は、一人の子どもに着目しながら5分程度の映像教材で、a:自由遊びの場面、b:一斉活動の場面、c:生活活動の場面など3場面のバランス、観察項目(4つの関わり・人との関わり・ 身体的プロンプト)の出現数のバランスなどが適切に取れていなければならない。新型コロナウイルス感染症の影響が残るなか、最低限の9本のVTRを揃えることが難しかったことが、当該研究にやや遅れが出ている理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、保育者を対象としたICER-R(J)を用いたエビデンスに基づく保育実践サイクルを主軸に実施し、ICER-R(J)に対する評価・研修計画の評価、そしてICER-R(J)を用いた子ども理解のための研究調査の総合考察を行う。そのため、令和6年度前半は、保育者を対象としたICER-R(J)を用いたエビデンスに基づく保育実践サイクルに取り組む。また、その際に、ICER-R(J)の観察評価シート及び日本語版マニュアルの最終版作成を目指す。もう一点は、本研究調査の総合考察を行い、その成果を学会発表、論文投稿等による公表の準備を進めていく。
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