Project/Area Number |
21K02427
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | Beppu University Junior College |
Principal Investigator |
谷川 友美 別府大学短期大学部, その他部局等, 教授 (10364176)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | エピペン® / アナフィラキシー / 医療行為への不安 / シュミレーション / 役割分担の明確化 / 保護者との連携 / 倫理 / 保育 / 学生 |
Outline of Research at the Start |
研究枠組みを、アクションリサーチとし、保育者を対象に保育の職業倫理教育を核とした研修プログラムの計画、実施、データ収集、分析、評価、省察の一連の流れのプロセスを3年間で12回繰り返し検討を重ね、現状の研修プログラムの課題をクリアし、保育者の倫理の視点を育んでいく。
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Outline of Annual Research Achievements |
研修/授業の受講生に対して、改善を重ねた効果的な研修/授業プログラムや実践力について調査した結果、受講生らはエピペンを与薬する手技の難しさは感じていないことを明かになった。しかし緊迫した場面といった状況下では、与薬できない心情、未だ与薬しなくても回復するのではないかと期待する心情、保育者が子どもの痛みを想像し痛みを伴う行為を自らすることへの抵抗がある心情が生まれることが明らかになった。職業倫理教育の必要性があると判断し、職業倫理の観点でGWを取り入れた研修を実施した。しかし、職業倫理の観点でのGWを追加しても、与薬を躊躇する心情を強く訴える受講生は多くいた。受講生が何をすれば、速やかな与薬につながるのか与薬経験者にインタビュー調査をした結果、与薬の練習をすること、スタッフとの情報共有の必要性を述べる意見が多く抽出できた。 保育者らの心情には、「医療行為への不安:注射は一般的に医療従事者が行うものであり、非医療従事者が行うことに対する不安や恐怖」「責任の重さ:子どもの命に関わる行為であるため、間違った対応をすることへの恐れ」「知識不足:エピペンの正しい使用方法やアナフィラキシーの症状についての理解が不十分であること」「経験の不足:実際にエピペンを使用した経験がないための不安」がある。このことから、「研修の実施:エピペンの使用方法やアナフィラキシー対応に関する研修を定期的に実施」「シミュレーションの実施:実際の緊急事態を想定したシミュレーションを通じて、実践的な訓練を行う」「役割分担の明確化:緊急時におけるスタッフ間の役割分担を明確にし、チームとして迅速に対応できる体制を整える」「保護者との連携:子どものアレルギー情報を保護者から詳細に把握し、緊急時の対応についても事前に話し合っておく」といった対策がマニュアルの整備(手順の学習)よりも重要であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
やや遅れている理由として、新型コロナウイルス感染症の流行の影響がある。想定した研修プログラムは、グループワークで行うことから、人が密集し声を掛け合い、人形やロールプレイをする子ども役割の人との接触を強いられる。できる限り、ソーシャルディスタンスを取るも、いつも受講生は感染リスクを考えているとの希望や声があったため、通常令和3・4年度は900名、令和5年度は400名の受講生を想定していた(合計2200名)。しかし実際は受講人数の制限をし、160名程度しか実施できなかった。12回の研修プログラムで出た結果から検討を重ね有効な研修システムのフレームワークを提案することが必要であるが、現在は5回の研修しか実施できていない実情がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度今までのデータは、「医療行為への不安」「責任の重さ」「知識不足」「経験不足」「シュミレーションの実施」「役割分担の明確化を目的とした協議」「保護者への連携」が「マニュアルの整備」よりも重要視すべきであるという結果であった。そのことを踏まえ、不安や責任及び保護者との連携をテーマとした倫理教育と、経験や知識不足、シュミレーション不足を解消できる教育の2つの観点を盛り込んだ研修プログラムを提案して、実施していく。具体的には、令和6年6月8月12月には研修を実施し、その実施における調査も追加し、研修のフレームワークを完成させる。 現時点で明らかになった結果は、令和6年9月の日本子ども学会にて発表していく。令和7年令和1月には、成果報告書を作成する。 令和7年3月は、成果報告書を大分県の認可保育園、保育所認定こども園、幼保連携型認定こども園合計457か所に送付する。
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