道徳の「教科内容学」構築のための倫理学的・実践的研究
Project/Area Number |
21K02475
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
鈴木 宏 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (40631891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椋木 香子 宮崎大学, 教育学部, 教授 (00520230)
高宮 正貴 大阪体育大学, 教育学部, 准教授 (20707145)
江島 顕一 麗澤大学, 経済学部2, 准教授 (70711646)
市川 秀之 千葉大学, 教育学部, 准教授 (70733228)
荒木 寿友 立命館大学, 教職研究科, 教授 (80369610)
荊木 聡 園田学園女子大学, 人間教育学部, 准教授 (90881954)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 特別の教科 道徳 / 内容項目 / 教科内容学 / 道徳教育 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、「特別の教科 道徳」で取り上げられる「内容項目」について、倫理学や思想史等の本質的・論理的観点と、授業研究等の科学的・実践的観点から総合的に整理し、道徳教育及び道徳授業における「教科内容学」を確立することを目指す。 これまでも、個別の内容項目(親切、友情など)の解釈に関する研究は行われてきた。しかし、内容項目は羅列的で、相互の関係性も明確ではないため、内容項目を全体として再検討する必要がある。そのために本研究では、異なる研究領域を専門とする研究者による共同研究チームを組織し、それぞれの知見を総合しながら道徳の内容項目の検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度の研究課題について、当初の計画通りに遂行することができた。道徳科の「内容項目」について、①個々の内容項目に対する倫理学的考察②内容項目の倫理学的考察を踏まえた実践指導の提案という2つの課題に対して、(1) 倫理学の視点からの理論的研究(研究Ⅰ)、 (2)授業開発の視点からの実践的研究(研究Ⅱ)、(3)道徳教育史の視点からの思想史的研究(研究Ⅲ)を行った。それぞれの研究成果は、研究協力者を交えての研究会を年毎月1回開催して共有した。 研究Ⅰの成果として、鈴木(カント倫理学)は、「希望と勇気、克己と強い意志」「真理の探究、創造」の内容項目としての妥当性について、カントによる義務の体系に依拠しながら基礎づけを行った。髙宮(西洋倫理学)は、「感動、畏敬の念」が義務とされる所以について、主に義務論の倫理学の知見を基に明らかにした。市川(デューイ倫理学)は、「よりよい学校生活、集団生活の充実」の内容項目について、学級を共同体として捉えた場合の倫理学的位置づけについて整理した。さらに東洋・日本思想史を専門とする研究協力者の指導を仰ぎ、「自律」の日本語としての成立史と「個性の伸長」の意味を解明し、内容項目の課題について整理を行った。 研究Ⅱの成果では、茨木(授業研究)が「自然愛護」「友情、信頼」を扱った教材を取り上げ、授業提案を行った。さらに中学校の道徳科の授業実践を担っている研究協力者に教師役を依頼し、「思いやり、感謝」「よりよい学校生活、集団生活の充実」「公正、公平、社会正義」を扱った授業を想定した実践を行い、教材の妥当性や授業の展開のあり方を吟味した。 研究Ⅲについては、江島(日本教育史)が、「道徳の時間」の学習指導要領の成立史とそれぞれの内容項目が成立する過程について整理を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題2年間での研究によって、道徳教育内容学の理論的研究、実践的研究のそれぞれで半数以上の内容項目を取り上げ、その意義と課題を明確にすることができた。令和4年度は、研究協力者を交えた毎月一度のオンライン研究会を開催することによって、研究成果を構成メンバー間で共有することができた。それぞれのメンバーが研究課題に対して担う役割が明確になっており、次年度以降も同様の進度で研究会開催の計画が予定されていることから、進捗状況に大きな問題はないと考えている。 研究成果の公表についても、当初の予定の通り、各研究者が本研究課題に関連性の高い学会にて発表をし、学術誌を中心に、論文としても現状での成果を示してきた。これについても、進捗状況としては概ね順調に進んでいるということができる。 本研究課題の最終的な成果は、一般の教職員を読者として想定した道徳教育の基礎理論に関する書籍の刊行だが、書籍の内容構成や類書との差別化、各メンバーの執筆分担といった具体的な計画についても、この一年間で具体化することができた。現状では大きな問題はないと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度までに実施した(1) 倫理学の視点からの理論的研究(研究Ⅰ)、 (2)授業開発の視点からの実践的研究(研究Ⅱ)、(3)道徳教育史の視点からの思想史的研究(研究Ⅲ)をさらに展開させて、次年度までにすべての内容項目についての検討を終える計画である。 道徳科の内容項目の妥当性については、これまでと同様に理論と実践の両面からそれぞれの項目について整理をし、研究会を開催して構成メンバー間で成果を共有する。道徳科の内容に関する先行研究との差別化を図るため、特に理論研究については古代ギリシア哲学、義務論、功利主義、徳倫理学、日本思想、中国思想といった多様な理論から内容項目の意義や課題を明らかにしていく。さらに現行の内容項目だけでは網羅できない現代的な課題が何かを明らかにし、そうした課題について、主に中学校の道徳科の授業を念頭に置き、どのように扱うことができるかを理論・実践それぞれの立場から検討する。 各年度ごとの一定の研究成果は、研究会をはじめ、本研究課題の構成メンバーが共通して所属する学会(日本道徳教育学会等)で共同発表やラウンドテーブルといった形で公開することも視野に入れている。 本研究課題の最終的な成果は、上記の研究を完遂させ、主に学校現場で道徳教育の授業を担当している教員を読者層として想定した書籍を刊行して公表する。書籍の具体案については概ね構想が完成されているため、各メンバーの分担にしたがって執筆を進め、書籍の原案を完成させることが令和5年度までの目標である。
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Report
(2 results)
Research Products
(27 results)