教員の主体性向上に寄与するスクールリーダシップ行動指針の開発とその評価
Project/Area Number |
21K02506
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
|
Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
西川 潔 関西福祉科学大学, 教育学部, 准教授 (90785536)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 千絵 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 准教授 (00548117)
佐古 秀一 鳴門教育大学, その他部局等, 副学長・教授 (30153969)
大脇 康弘 関西福祉科学大学, 教育学部, 教授 (60135762)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 校長の経営行動から見た信頼性形成,信頼性損失 / 信頼性形成としての8要因 / 信頼性損失としての8要因 / 一方向に影響を与える要因 / 信頼性形成,損失の両極性をもつ効果 / 校長に対する信頼 / 校長の経営行動 / 小学校教員 / 学校経営 / 教育活動の効果 / 校長 / リーダーシップ / 教員 / 信頼構成要因 / 協働的な学校組織構築 / 教員の主体性 / スクールリーダーシップの行動指針 / 校長のリーダーシップ / 行動指針の開発と評価 / 理論研究と実践研究の往還 |
Outline of Research at the Start |
本研究はスクールリーダーのどのようなリーダーシップが教員の主体性を育て、自律的な学校構築に繋がるのか、その特徴のエピソード記述に基づく実践と修正を行いながらリーダーシップ行動指針の開発を目的とする。1年次は大学教員研究チームが研究協力校の校長と共にリーダーシップ理論の学びに基づく実践と修正に取り組む。2年次は副校長・教頭、3年次はミドルリーダーを加えた検討を行い、各年次の実践が研究協力校の教員一人一人の主体性を高めるものであるかどうかの評価を行う。3年間の実践の蓄積により、教員の主体性向上に寄与するスクールリーダーの行動の共通性を導き出し「スクールリーダーシップの行動指針」を開発する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
研究テーマ「教員の主体性向上に寄与するスクールリーダーシップ行動指針の開発と評価」にかかわって,教員からのスクールリーダー,とりわけ校長に対する信頼が重要であると捉えた.その信頼については,概念が非常に曖昧である(中谷内,2015)とされている.そこで小学校教員938名を対象に,「校長に対して信頼を感じた時の具体的な場面やエピソード」,逆に「校長に対する信頼を損なった具体的場面やエピソード」を自由記述による調査を行った. その結果をテキストマイニングの手法を取り入れ分析した(分析ソフト,KH Coder,樋口,2020).臨界事象法を援用して分析した結果,信頼形成の要因として「①授業や学級経営等に対する適切なアドバイス」「②教員を全面的に支える」「③教員を信じて任せ,最後は責任をとる」「④クレーム対応等,有事に教員を守る」「⑤安心して職務に専念できる環境づくり」「⑥相談に対する親身な傾聴」「⑦教員の勤務に対する配慮」「⑧問題への能動的な対応」の8要因が抽出された. 一方,信頼損失としては「A:クレーム対応・教員を守れない」「B:高圧的な言動」「C:平等性の欠如」「D:責任感の欠如・保身的対応」「E:話を聞けない」「F:教員の意向の否定と校長の価値観の押し付け」「G:人権感覚の欠如」「H:過重な職務に対する無配慮」の8要因である.それぞれの8要因には,信頼形成,または損失の単一方向性をもつものも見られたが,一方で③とD,④とA,⑤とE,⑦とHの4組が表裏の関係性をもつことが明らかになった. これら4組の校長の経営行動は,信頼性形成,信頼性損失に対し,両方向効果(信頼性を形成することも,信頼性を損失することもある)の両極性をもつ傾向がある.また共通した特徴として,教員が様々な問題に直面したり,困りごとを抱えていたりする場面における校長の対応によって決定づけられると読み取れる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
校長の信頼性について,全国の小学校教員を対象とした調査を2回にわたり実施し,それらを量的測定,質的測定によって分析した.その結果,校長の信頼性形成に重要とされる要素を抽出することができた.さらに信頼性形成となる要因,信頼性損失となる要因を具体的に明らかにすることができた. 以上の結果を2023年度,2024年度の日本教育経営学会にて研究発表を行った.また,2本の論文を執筆し,現在全国学会誌に投稿中である.
|
Strategy for Future Research Activity |
1点目は,これまでの研究は小学校教員を対象としたものであった.校種によってその要因の特徴や構造が異なる可能性があり,中学校や高等学校の校長の信頼性についても研究を進めていきたい. 2点目は,今回調査を行った量的調査,質的調査からは,それぞれが単独の分析,考察に留まっている.今後,これら両面から校長の信頼性についての概念的な構造を明らかにする必要があると考えており,その点の研究を今後進めていきたい.
|
Report
(3 results)
Research Products
(7 results)