Project/Area Number |
21K02510
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
藤川 聡 北海道教育大学, 大学院教育学研究科, 教授 (20710908)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 失敗場面 / 製作学習 / 原因帰属 / 教訓帰納 / 問題解決学習 / 教訓機能 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,製作学習の失敗場面における達成動機付けの原因帰属における因果モデルの構築を目指す。そして,原因帰属と教訓帰納に関わる因果連鎖について解明し,それらの知見に基づき,製作学習の失敗場面における適切な認知カウンセリングとはどのようなものかについて整理し,指導の在り方について提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は,技術科の問題解決学習の中で出現する失敗場面の適切な支援を含んだ2つの題材を開発し北海道A市の中学生を対象に以下の2件について授業実践を行った。 1.エネルギー変換学習における回路設計を含む製作題材 本題材の特徴は,LED・スイッチ・ケースのそれぞれを数種類の中から条件を踏まえて選択し,生活の課題を解決するための回路設計・製作を行わせるものである。自由設計を行う際には,困難感から思考や判断が停滞し,それにより躓きや失敗が発生しやすいことが先行研究から示唆されている。その状況を防ぐ配慮として回路実験用の教材を考案し,回路設計の前に電気回路における基礎・基本を定着させた。また,生徒自身による課題設定の際には,条件設定をしたマッピングにより発想を広げることや,より良い課題設定につなげられるような学習を設定した。上記の授業実践の結果,困難感から思考や判断が停滞する状況は顕著に減少し,回路設計を含む問題解決が効果的に展開される様子が確認できた。 2.木材加工学習における問題解決学習 本学習では,筆者らが発表している木材加工学習における製作題材「My Woody Rack」(技術科教育の研究, 17, 45-53, 2012)を中心題材に据え問題解決的な学習を取り入れた単元(技術科における題材)を開発した。同単元では,設計学習の際にパフォーマンス課題を設定し,目的や条件に即した発想を広げると共に思考の停滞を防ぐ工夫を取り入れている。加えて,製作学習において出現した失敗場面において教員が直ちに解決策を例示するのではなく,生徒自身で原因と解決策を見つけさせる認知カウンセリングを取り入れている。上記の授業実践の結果,設計・製作において,生徒の発想が広がり独創的な作品が出現する様子が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要に示すとおり,問題解決学習における失敗の支援を含んだ2件の題材を開発し実践することができた。本研究が目指している失敗の支援に関わる認知カウンセリングにおいて有意味な示唆が得られたと考えている。これらの結果は,令和6年度中に論文投稿を見込んでいる。 一方,令和4年度に得られたデータ分析の結果を令和5年度に公表する予定であったが,現時点で研究成果として公表することができていない。さらには本研究の本質的な部分である原因帰属と教訓帰納に関わる因果連鎖についての分析が遅れている。前者は,データ分析の結果を本研究の本質的な問いへ組み込むことに苦慮していること,後者については,一般化を目指した量的検証に耐えうるバランスのとれた協力校の属性及び適切な数が十分に確保できず,失敗を体験させる教育実践や失敗感などを問うアンケート調査を実施することができなかったことが原因と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は,令和5年度に開発し実践した2件の題材及び令和4年度に得られたデータ分析の結果を整理し論文投稿を試みる。さらには本研究の本質的な部分である原因帰属と教訓帰納に関わる因果連鎖について,協力校を確保した上で,その解明を試みる。 本研究は,因果モデル・教育方法・認知カウンセリングといった要素を統合させ支援モデルを構築するという複雑な取り組みである。令和6年度は,本事業の最終年度のため,上記の実現状況を見ながら,適宜取捨選択を行いつつ研究成果としてまとめることが必要であると考えている。
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