Project/Area Number |
21K02584
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
清水 安夫 国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (00306515)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 教師及び生徒の気分 / 教師及び生徒の感情 / 教師及び生徒の態度 / 体罰 / 教室環境 / 心理的要因 / 労働条件 / 精神疲労 / 環境要因 / 組織的要因 / 労働環境 / 業務負担 / 予防的介入方法 / 規定要因 / 学校環境 / 情動・感情 / ストレス / ワークライフバランス / ワークエンゲイジメント / 組織構造 / 学校教師 / 予防的アプローチ / 生徒の心理 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,学校教師の「体罰」を誘発する規定要因の解明にもとづく予防方法を考案し,効果的な学習プログラムを作成することである。そのために,本研究では,1)「体罰」を誘発する各種の規定要因を解明するために,心理・社会・環境・対人関係など,多様な側面から包括的に捉えた「測定指標」を作成し,2)各要因の体罰誘発との因果関係にもとづく効果的な介入方法を考案し,3)インターネットにより提供される予防プログラムを実施することにより,その学習効果の検証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,全国の中学校および高校で発生している「学校ハラスメント(以後,SHと略)」の背景要因である,「個人や集団の心理的な特性や状況」「学校の環境」「教員の指導体制や連携性」「保護者の学校への関わり方」などを包括的に捉えることにより,効果的な改善方法を検討することである。現在まで,学校現場におけるSHの発生に関係する問題(例えば,いじめ,嫌がらせ,過度な叱責,体罰など)は,被害者と加害者という枠組みの中で,各事案に対して,個別に対応策の検討が行われて来た。しかし,SHの発生には,複数の要因が重層化した時など,一定の条件や環境が揃った場合において発生し易くなる可能性がある。そこで本研究では,学校現場で発生するSHに関わる各種要因を策定するために,1)生徒,2)教師,3)保護者を学校構成員として捉え,各対象者の認知的側面からSHの発生要因となるデータを収集し,「測定指標」および「仮説モデル」を作成することである。現在の研究の実施状況については,教師の体罰を誘発する「学校体育場面」「部活動指導場面」「教室での場面」を想定した予備調査が終了している段階である。予備調査によるテキストデータは,今後,テキストマイニング分析及び共起ネットワーク分析において,定量的な分析を実施するために必要な質問紙の項目を策定する材料とする。また,現在,これらの予備調査にて得られた定性的な手法による研究結果を精査し,本調査である定量的な手法を用いた中規模質問紙調査の準備を行っているところである。中規模調査では,インターネットを活用した調査を実施し,1)測定指標の標準化,2)各指標間の因果関係の検証を実施し,教師の体罰行動を誘発する要因を策定した上で,介入方法及び抑制方法の検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前回の研究報告においては,学校体育の授業場面や運動部活動での指導場面における,「体罰が起こりやすい指導環境」及び「体罰を誘発させる教師の感情状態と生徒及び部員の参加態度」について,定性的な調査研究の結果をまとめて報告した。この度の本研究の進展状況として,通常の教室内において,教師の体罰に関する行動や感情を誘発する心理的な状態について,教師側と生徒側の2つの側面から,「教師が生徒指導上において感情的になった経験」を回想法にて,双方に対して半構造化面接を実施した。その結果,1)生徒が何かしらのミスをした時に感じる気分・感情・態度として(例:悲しくなる,がっかりする,落ち込む,失望感に苛まれる,無力を感じる,怒る,ムカつく,動揺する,冷静に諭す,理由を聞いて対応方法を示す,前向きなアドヴァイスする,叱る,無視する等),2)生徒が教師の指示に従わない時の対応(例:指導を中止する,その場を離れる,無視する,叱る,キレる等),3)生徒自身がミスしたことに対する教師からの叱責を受けた際に,反抗的な態度を取った時にどのような感情・気分・態度を取るか(例:逆ギレは無視する,放っておく,黙らせる,怒鳴る,叱る,ガッカリする,冷静さを保つ等)の具体的な気分・感情・態度が集約された。現在,これらの回答をテキスト化した上で,さらに,教師のテキストデータと生徒のテキストデータとに分けた場合と統合した場合の2パターンにて,テキストマイニング分析及び共起ネットワーク分析を行っているところである。これらのデータに,もう少しサンプル数を加えるための質問紙調査を実施することにより,データを増やした上で,頻出語の抽出及び各品詞ごとの関係性を検討する予定である。さらに,質問紙法を用いた上で,多変量解析による定量的な分析結果をもとにエビデンスにもとづく他の測定指標との関係性について検討を行う準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,上記の報告書の最後にも記述した通り,定量的な研究へとつなげていく予定である。そのために,本研究を開始するに当たって想定していた仮説モデル(「環境要因(個人のストレスや教師の過重労働等)」⇒「生徒の態度(言うことを聞かない,ミスをする,不遜な態度を示す,自分の感情をぶつけて来る等)」⇒「教師の感情抑制(コントロール感,セルフエフィカシー,コーピング力,レジリエンス等)」⇒「体罰行動(過剰な叱責,感情の爆発,行動抑制力喪失等)」をもとに各測定指標間の因果関係を検証する。本仮説モデルの構造性を検討するに当たっては,まずは各種の測定指標を作成する必要があるため,予備調査でプールした各測定指標における質問項目を精査した上で中規模調査を実施する。調査方法はインターネットによる方法を用いることにより,概ね500~600のサンプリングを実施し,各測定指標の標準化を推進する。
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