Project/Area Number |
21K02591
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
村井 潤 武庫川女子大学, 教育学部, 准教授 (90610890)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2022: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 省察 / 課題の設定 / 教師教育者 / 力量形成 / セルフスタディ / 体育科教育 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、教師を志す大学生の指導を行う大学教員の力量形成の方法を開発することを目的とする。開発する方法は、大学教員が自分自身を研究することによって、自己の力量形成を行うことができるようにすることを目的としている。この方法が開発されれば、これまで暗黙的に行われてきた大学教員の力量形成を意図的に実施することができる。また、この方法が開発されれば、教育実践と学術研究を関連付けることができるため、大学教員の職務全体を力量形成の場として活用することができるようになる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大学教員が自分自身の授業を分析することを通して力量形成を行うための手法を開発することである。 2023年度は、2022年度に実施した、「マトリックス」を用いた「課題の設定」の手法を用いて、大学教員が学生の模擬授業の観察記録を分析し、分析結果を踏まえて大学教員自身の指導の実際について「省察」を行わせた成果が、模擬授業の指導にどのような影響を与えるか検討した。 研究の方法は、まず、2022年度までと同様に、学生が実施した模擬授業の「省察」を行った。次に、「省察」を行って作成した授業観察記録について、各授業の記述数を集計し、「マトリックス」を用いた「課題の設定」の手法を用いて分析を行った。そして、2022年度に実施した研究の結果と、2023年度に実施した研究の結果を比較することで、大学教員自身についての「省察」の結果が、どのような影響を与えているのかを検討することとした。 研究の結果、2023年度の授業観察記録に記載された記述数は2022年度の記述数に比べて大幅に減少していた。この結果を生じさせた一要因として、「マトリックス」を用いた「課題の設定」を経験することで、大学教員が学生の模擬授業に対して指導すべき内容を明確にすることができたことがあげられる。すなわち、大学教員が学生に指導すべきと考える内容が不明確であると、模擬授業中のあらゆる状況について「省察」を行ったうえで、学生の振り返りに応じて指導する必要があるが、指導すべきと考える内容が明確であれば、その内容に関わる状況についてのみ「省察」を行おうとするため、「省察」の結果としての記述数が減少したと考えられるのである。ただし、「省察」は対象となる模擬授業の実態に大きく影響を受けると考えられるため、上記の研究結果を裏付けるためにはさらなるデータの蓄積と分析が必要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度の研究では、開発した方法を用いて「省察」を行うことが、大学教員の力量形成に対して与える影響の一端が明らかになった。しかし、「省察」は対象となる模擬授業の実態に大きく影響を受けると考えられるため、2023年度の研究結果を裏付けるためにはさらなるデータの蓄積と分析が必要であると考えられる。 また、研究を進めるにあたって、「省察」に関連する用語の定義・検討の必要性が生じた上に、前年度から課題となっている研究の方法論的な問題については解決に至っておらず、さらなる検討が必要であると考えている。 そのため、研究の進捗状況について、「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、2023年度の研究と同様に、大学教員が模擬授業を「省察」し、授業観察記録を作成させる。そして、その授業観察記録を、2023年度の授業観察記録と比較し、模擬授業の実態が大学教員の「省察」に与えた影響の有無について検討する。この模擬授業の影響の有無を踏まえて、「マトリックス」を用いた「課題の設定」の手法の効果について明確にしたい。 また、「省察」に関わる用語の検討や、研究方法論に関わる課題については、さらに先行研究や各種文献の検討を進め、論文にまとめていきたい。
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