高校道徳における討議型授業の理論構築とオンライン学習の活用
Project/Area Number |
21K02595
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小川 哲哉 茨城大学, 全学教職センター, 名誉教授・特任教授・特命研究員 (80194439)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 高校道徳 / 遠隔・オンライン教育 / ハイフレックス型授業 / 探究学習 / 討議活動 / 総合的な探究の時間 / 対面授業 / 討議型授業 / オンライン学習 / ICT教育 / 高大接続事業 / 教員養成系大学 / 生命尊重 / 討議型道徳授業 |
Outline of Research at the Start |
申請者はこれまでの研究で、紙媒体の授業教材だけでなく動画による授業教材の活用が、生徒の授業理解にどのように影響するかの研究に取り組んできたが、さらにオンライン学習も活用することで、討議型の高校道徳授業の教育効果が高められることを明らかにし、教員養成段階の大学生及び学校教育現場からの知見に基づいて討議型授業の新たな指導法の開発とその理論構築を行う。そして、構築された指導法と理論に関する指導資料を作成・公表し、これまでの研究の体系化を図る。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、令和4年度に十分行えなかった全国の公・私立高等学校(以下、高校)の道徳授業の実地調査を行うと共に、本研究テーマに関わる情報収集・調査を実施した。さらに、本年度は公・私立高校で対面とオンラインを組み合わせたハイフレックス型授業を実践し、その教育効果を検証した。 まず、視察については、令和5年8月24日から26日まで北海道帯広市にある道立A高校を訪問して道徳教育の実施状況と、ICT教育の現状を調査した。さらにその後道立B工業高校を訪問し、工業高校のユニークなICT教育と道徳教育の現状の説明を受けた。 令和5年10月31日から11月1日にかけては、島根県立大学と島根県立情報科学高校を視察した。31日には島根県立大学の教職課程担当者とICT教育の現状と課題について意見交換を行った。翌日、情報科学高校を訪問した。同校には、マルチメディア科、情報処理科、情報システム科が設置されており、島根県下でも屈指の情報教育先進校であった。そのためICTを活用した教育実践の事例紹介は興味深いものであった。 オンラインを活用した授業実践としては、令和6年1月20日に茨城県水戸市にある私立C高校の医学コースの高1と高2に対して「安楽死」問題をテーマにした対面授業とZoomによるオンライン討議活動を組み合わせたハイフレックス型授業を行った。教材提示や小論文の提出、さらに授業のアンケート調査の記入は、すべてGoogleのFormsで行わせた。さらに、公立高校のハイフレックス型の授業としては、令和6年1月18日と25日に茨城県立D高校の「総合的な探究の時間」において、「安全な水を届ける国際貢献活動」に関する授業とZoomによるオンラインでの討議活動を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は、本研究に関わる情報収集・調査を実施するだけでなく、その成果に基づいて公・私立高校で対面授業とオンライン学習を組み合わせたハイフレックス型授業の実施・検証をすることができた。 全国の高校現場で道徳教育がどのような状況にあるかの本格的調査は、前年度よりも十分に行うことができた。視察したのは、公立高校4校、私立1校であり、その中でも公・私立高校各1校では、視察だけではなく実際に授業実践を行うことができた。授業実践の具体的な方法はハイフレックス型授業で行ったので、本研究のテーマを考察するための重要な実践的データを得ることができた。 コロナ感染症が第5類に移行したいわゆる「アフターコロナ期」の現在、多くの高校現場で対面授業が再開されており、コロナ期以前の状況に戻りつつある。しかしながら、文部科学省が推奨する「遠隔・オンライン教育」は、コロナで対面授業が行えなかったことへの単なる代替措置ではなく、令和の日本型学校教育の実現のための重要なツールの一つになっている。アフターコロナ期になり、重要なのは単なる対面授業への回帰ではなく、遠隔・オンライン教育等のICT活用を基本にしながら対面授業の質的向上を図ることである。その意味で、対面とオンライン学習を組み合わせたハイフレックス型授業の試行とその教育的有効性の解明は重要である。このように本研究の進捗状況はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、コロナの問題の影響を受け、当初令和5年度に終了する研究計画と1年延長した。そのため、令和6年度が本研究の最終年度となるため、今後の研究目標は、研究成果をまとめ、公表することになる。 すでに研究成果の公表については、令和6年3月17日に長崎大学(文教キャンパス)において開催された日本教育メディア学会第2回研究会において、「オンラインを活用した高校道徳の研究―探究学習と討議活動による授業実践―」を発表し、発表論文は同学会のHPに掲載されている。また、公立高校で行ったハイフレックス型授業実践の成果は、論文「高等学校の『総合的な探究の時間』の授業実践に関する研究―ハイフレックス型授業の活用事例について―」を執筆し、現在茨城大学全学教職センター研究論集に投稿中であり、8月までに同センターのHPに掲載予定である。 さらに、本研究の主要テーマである高校道徳の討議型授業の理論構築と、オンライン学習の活用方法については、小冊子の形式の指導資料の制作を次年度に行う予定である。この指導資料の目的は、高校生や教員向けの「探究学習」とオンラインで討議活動の具体的な方法をマニュアル化し、ハイフレックス型の授業実践の教育方法を提示することである。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)