大学における学習環境デザインおよび学習支援サービスに関する国際比較研究
Project/Area Number |
21K02667
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09050:Tertiary education-related
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Research Institution | Seijo University (2022-2023) Teikyo University (2021) |
Principal Investigator |
川面 きよ 成城大学, 付置研究所, 研究員 (20782064)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | ラーニングコモンズ / 学習環境デザイン / 学習空間 / 学習支援 / 人材育成 / コロナ禍 / 国際比較 |
Outline of Research at the Start |
世界的に新たな学習空間であるラーニングコモンズ(以下,LC)および学習支援サービスを拡充する国が増えているが,LCにおける学習支援の実態について調査し,整理された研究はほとんどない. 本研究では,申請者が参加した日本のLCに関する悉皆調査の結果をもとに、インタビュー調査を行う.またアジア地域にフォーカスを当て,同様の調査を実施し,特に学習支援サービスと正課・正課外学習との関わり,学習支援を担当する人的資源の確保と育成,その活動が組織においてどのように評価され,改善が行われているのかに注目して比較検討することによって日本におけるLCおよび学習支援サービスの実態と特徴を明らかにすることを目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,日本の学習環境デザインにおける人的サービスの現状分析とアジア諸国における学習環境デザインと人的支援サービスの実態との比較により、今 後の日本におけるLCを中心とした学習環境デザインや学習支援サービスへの有用な知見の獲得を目指している。 2023年度は国立国会図書館が発行するカレントアウェアネス誌からの依頼を受け、前年度までに実施した文献調査やWEB調査などの結果を整理し、「ニューノーマル時代に対応したラーニングコモンズと学習支援のリデザイン―コロナ禍での対応からの示唆―」と題した記事を寄稿した。 また国内調査では京都産業大学、京都橘大学、東北学院大学、はこだて未来大学などに訪問し、施設見学及び調査を実施した。調査結果については適宜、内容の分析に取り組み、その結果の一部について大学教育学会の課題研究チームとして作成にかかわった「学習環境デザインブック」内で「さまざまな学習環境」の事例として紹介した。 加えて、保留となっていた韓国での海外調査を実施した。設置形態、規模および地域性に配慮し、計4大学 を訪ね、施設見学及び学修支援サービスに関する情報収集、支援担当者へのインタビューを実施した。その結果、韓国では学習支援を担当する組織が大学内で明確に位置付けられ、体系的な支援が行われていること、コロナ禍で始まったオンライン学習支援も依然として提供されていることが確認され、キャンパス内に図書館以外の学習支援環境の実装が進められていることが明らかになった。またその調査の過程で、台湾同様、韓国においても学習支援環境の取り組みにおける地域差がある可能性や大学間ネットワークによる職能研修の存在が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では3つの調査を実施し、その結果を比較検討・分析することにより、今後の日本におけるLCを中心とした学習環境デザインや学習支援サービスへの有用な知見の獲得を目指している。 1.日本のLC担当者への半構造化インタビュー調査(国内):国内訪問調査は順調に進めており、インタビュー調査の内容の分析についてやや遅れ気味となっている。調査結果の一部については、大学教育学会の課題研究の取り組みで作成した「学習環境デザインブック」内で、事例として紹介済みである。 2.台湾・韓国を中心としたアジア諸国における学習環境デザインと学習支援サービスの実態把握:前年度の予備調査の結果をもとに韓国の4つの大学に訪問調査を行い、その結果について紀要論文にまとめて公表した。本来は台湾南部の大学にも訪問予定であったがスケジュールの都合から、韓国南部の大学への訪問と合わせて、次年度に持ち越すこととなった。 3.日本とアジア諸国における学習環境デザインと人的支援サービスの実態に関する比較検討:学習支援環境における人的サービスの実態に関する調査の設計については、予備調査を受けて実施した韓国の大学への訪問調査結果を反映したほうが良いと判断したため、実施を次年度に持ち越した。現在アンケート項目を精査しているところとなっており、6月~7月にかけて実施予定である。 これらの調査結果をまとめて最終的な比較検討を実施するため、進捗についてはやや遅れていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の影響による研究の進捗状況の遅れから、研究期間を1年延長することになった。2023年度はコロナ禍も落ち着き、ようやく海外への訪問調査を再開することができた。当初の調査スケジュールより遅れているが、2023年度の調査によって、訪問調査の基本の形ができたため、次年度以降の調査もスムーズに実施できる見込みである。 台湾・韓国の大学に対する学習環境および学習支援に関する質問紙調査(WEB調査)についても実施時期を2024年度前半に延期したが、WEB調査であることから、データの取りまとめには時間がかからず研究の進捗自体への影響は少ないと考えている。 夏および秋にかけて台湾・韓国への訪問調査(それぞれ3~4大学程度を予定)を実施する。これらの調査結果についても、23年度の調査結果分析のフォーマットに従い、適宜取りまとめを行い、学会発表や論文投稿などを通じて公表を行っていく。 最終的な比較検討結果についても同様に、学会発表や論文投稿などを通じて公表を行っていく予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)