大学基礎数学における実験計画法を用いた正答・誤答例の分析と,学習支援への展開
Project/Area Number |
21K02810
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09070:Educational technology-related
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷口 哲也 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (90625500)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 学習支援 / アダプティブラーニング / 実験計画法 / 直交ベクトル / データサイエンス / 大学数学基礎 / 誤答分析 |
Outline of Research at the Start |
本研究では大学の基礎的数学科目で,誰一人取り残さないよう個別最適化された学びを支援する枠組みの構築を行う.特に学生の誤答の分類・分析し,その学習者の躓きに寄り添った学習プラン案を実験計画法等を援用して提供する.一種のアダプティブラーニング環境である.これにより,その学生の状態に応じた学習指導を行いやすくすると同時に,多くの学生に対してそれぞれに寄り添った学習支援を提供する. そのために正答・誤答データを分析し,系統的な誤りに対する我々の理解を深め,学生指導の質を向上させ,教員側の経験の差や体調による変動をより小さくし,また初対面の学生に対する質問対応の際にも一定以上の質が確保できることを目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,大学における基礎的数学科目での個別最適化された学びを支援する枠組みの構築である.特に学生の誤答の分類・分析によりその学習者の状態に応じた学習プラン案を提供するような,一種のアダプティブラーニング環境を実現することである.集団授業・個別指導において,誰一人取り残さないよう,各学生の躓きに寄り添った学習プラン案を提供して,その学生の状態に応じた学習指導を行いやすくしたい. 研究遂行の上で,次の3つのフェーズを想定している:①誤答収集フェーズ:日々の授業,学習支援,質問対応,個別指導から正答誤答を収集する. ②誤答分析フェーズ:収集した正答・誤答を計算機で分析する. ③学習プラン案提供フェーズ:個別指導時にその学生に応じた学習プランを提示する,である. 2022年度は,①,②のフェーズに主に取り組んだ.日々の授業や質問対応,過去の記録を整理しているところである.また理論面では,Denmajenko行列に着目し,これを実験計画法や統計処理上で活用することを目指している.この行列の特性の分析に取り組み,この行列から完全直交するようなベクトル系の抽出方法を検討している.この行列から必要となる直交ベクトル系が十分多く(完全直交系でなくても)取れることの評価を行っている.現在,数学的な証明を詰めているところであり,完成後は論文として発表予定である.これは③学習プラン案提供フェーズの下準備にあたる. 2022年~2023年にかけて,生成系AIの発展が顕著となり,これをどう生かすかを検討中である.特に,②誤答分析フェーズ・③学習プラン案提供フェーズで活用液る可能性があると考えているが,倫理面や著作権の面の検討が必要となる. まとめると,2022年度は,①誤答収集フェーズ,②誤答分析フェーズ,③学習プラン案提供フェーズそれぞれに着手した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
解答データの収集は順調に進んでおり,具体的に解答データを目にする中で誤答例に意識して着目し,記録として残せており,最重要と考えている誤答例の分析を(手作業であるが)進めているところである.今後,AIも活用して分析をすすめる方法を検討したい.その際,著作権や倫理面等に配慮する必要があるが,そのための情報収集を進めている. また,理論面に関してもDemjanenko行列の特性について,グラフ理論と絡めて議論をするという方向性を見出して研究を進めている.ただ,2022年度途中からの研究代表者の家庭の事情および病気・入院・療養のため,当初の想定よりやや遅れていると考えている.2022年度末には退院し,その後の療養・リハビリも順調であり,研究を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,誤答例の分析を進めたうえで最終的には学習支援への展開することが目標である.現段階では①誤答収集フェーズの誤答例の収集を進めている段階で,それを分析する②誤答分析フェーズも並行して行いつつある.現状はこれまでの手作業と目視による分析を進めており,そこでの知見から計算機を用いたシステマティックな作業へと移行したい.特にAIがどのように活用できるかを検討してゆきたい.また,③学習プラン案提供フェーズについては,現状では基礎的な理論面に関する整備を行っている段階で,これを具体的に実験計画法などを用いて実装をすることが必要となる.現在,機械学習の手法の情報収集をしており,これを適用したい. 全体として,次の段階としては誤答例の収集は同時並行で進めながら,誤答分析をすすめ,計算機でシステマティックに進められる形にまとめ上げる作業を行う.
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)