Project/Area Number |
21K02841
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09070:Educational technology-related
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Research Institution | Nagoya Sangyo University |
Principal Investigator |
伊藤 雅一 名古屋産業大学, 現代ビジネス学部, 教授 (60340387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 聖 名古屋産業大学, 現代ビジネス学部, 教授 (80314087)
林 敬三 名古屋産業大学, 現代ビジネス学部, 教授 (50329900)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | アジア / 大都市域 / CO2濃度 / グローバルシチズンシップ / 教材開発 / CO2濃度データ |
Outline of Research at the Start |
2016年11月に発効したパリ協定では、大幅なCO2削減に向けた国際協調が求められている。また、パリ協定の目標達成に向けては、多くの国や地方自治体が2050年までにCO2排出量を実質ゼロにすることを表明しているが、その実現には人々の意識変容、行動変容が不可欠とされる。 本研究では、異なる緯度帯に位置するアジアの大都市域を対象に、CO2濃度の動態とその特徴を検証し、人間生活や都市環境が与えている影響を可視化したうえで、気候変動に対応したグローバルシチズンシップを醸成する環境教育教材を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、異なる緯度帯に位置するアジアの大都市域を対象に、CO2濃度の動態とその特徴を検証し、人間活動や都市環境が与えている影響を可視化したうえで、気候変動に対応したグローバルシチズンシップを醸成する環境教育教材の開発を目的とする。具体的には、アジアの大都市域である東京(日本)、高雄市(台湾)、ホーチミン市(ベトナム)、ジャカルタ市(インドネシア)に位置する高等学校を対象に、CO2濃度の実測データを用いて、1)CO2濃度の動態検証、2)CO2濃度の実測データを利用した環境教育教材の開発とその有効性の検証を行う。 1)CO2濃度の検証については、名古屋産業大学地点で収集された10年間のCO2濃度データを活用し、地域環境評価の基礎となるCO2濃度の動態検証に取り組んだ。また、CO2濃度の動態と特徴を明らかにするため、東京中華学校、高雄女子高校、ホーチミン市台湾学校、ジャカルタ市台湾学校を対象に、CO2濃度データの収集・蓄積を支援した。その際、学校周辺のCO2濃度調査を通じて収集されるデータについては、紙ベースで集約していたが、これをデジタル化し、タブレット上で調査データの入力と集約、蓄積ができるようにした。 2)CO2濃度の実測データを利用した環境教育教材の開発とその有効性の検証に向けては、高田高等学校(三重県津市)と連携し、CO2吸収力の高い緑化木の調査活動の継続に加え、CO2センサーを活用した自主的で探究的な環境学習活動とその学習成果を収録した視聴覚教材の作成を支援した。さらに、グローバルシチズンシップの醸成を図るための国際交流学習プログラムとして、学校生活のカーボンニュートラルを目指す「ゼロカーボンスクール」チャレンジプログラムを開発し、一部のモデル校で実施支援に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の3年目となる令和5年度は、海外のモデル校を対象に、CO2吸収力の高い緑化木の調査活動と、その体験を踏まえた自主的で探究的な環境学習活動を重点的に支援した。また、国際交流学習プログラムとして、「ゼロカーボンスクール」の実現を支援する環境学習プログラムを開発し、一部のモデル校で実施支援に着手した。 国際交流学習プログラムについては、CO2吸収力の高い緑化木の調査活動を位置付けていたが、台湾では、行政院教育部が推進する愛樹教育の一環として、2023年9月までに小・中学校、高等学校の校庭に植えられている樹木の樹種や位置等がデータベース化された。このデータベースを活用することで、校庭の植生調査や植樹によるCO2吸収量算定を効果的に実施することが可能になるため、緑化木の調査活動については、学校周辺のCO2濃度調査(CO2の吸収源の可視化)との連動も含めて、より発展的な学習を目指すことができる。このため、2023年10月以降は、台湾のモデル校を対象に愛樹教育のデータベースを活用した環境学習として、「ゼロカーボンスクール」の実現を支援するプログラム開発を行い実施支援に着手したが、学習効果の検証には至っていない。 以上から、研究の進捗状況としては、計画よりやや遅れていると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、モデル校において「ゼロカーボンスクール」チャレンジプログラムの実施を支援する。 また、モデル校間の国際交流学習を支援することにより、CO2濃度の動態に対する多面的理解とCO2削減に向けた国際協調を下支えするグローバルシチズンシップの醸成に取り組む。 以上から、モデル校における教育実践を通じて、気候変動に対応したグローバルシチズンシップを醸成する環境教育教材の開発とその学習効果の検証を進めていく予定である。
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