Project/Area Number |
21K02883
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09080:Science education-related
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
竹中 真希子 大分大学, 教育マネジメント機構, 教授 (70381019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 宏子 明治学院大学, 心理学部, 教授 (20374754)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 生活科 / 科学 / 数理 / STEAM教育 / 理科 / 算数・数学 / ものの理 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は,ものの理を追究する力の育成と小学校低学年の生活科で育てる学びの芽との関係について明らかにすることであり,そのための「問い」は,具体的な体験や活動を主軸とする生活科の学習において,「理」を見る力,「理」を解く力の芽をいかに育むこと ができるかである。 3年間で次のことを明らかにする。 1. 生活科のカリキュラムに潜在する「理」を見る力,「理」を解く力につながる科学・数理的要素の同定 2.「理」を見る力,「理」を解く力の芽を育成する生活科の授業開発・実施・評価 3. 生活科で育てる力と「理」を見る力,「理」を解く力の関係の明示(ガイドライン)
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,学校低学年の生活科を「理」を見る力,「理」を解く力の芽を育む教科として位置付け,STEAM教育の視座から生活科のポテンシャルを明らかにすることを試みている.申請当初は小学校における教員研修および授業開発を目指したが,コロナの影響で協力校での実現が困難になり,緩和後も人事移動等で再開がならず,2023年度に対象を教員志望学生にシフトした. 2023年度は小学校教員免許を取得する教員養成学部の学生63人を対象として,生活科の「うごくおもちゃづくり」の単元にS・T・E・A・Mのうち,「理」を見る力,「理」を解く力に深く関わる「S(Science・科学/理科)」と「M(Mathematics・算数/数学)」のどのような要素を見出しているかについて調査した. 「うごくおもちゃづくり」の単元では,つくるおもちゃを考え,実際につくって試して改良し,つくったおもちゃを使ってみんなで遊ぶという活動が設定されている.その特徴から理科では「エネルギー」の領域,材料の性質に言及して「粒子」の領域の要素が多く見出されていた.また,物が動く原理について考える「科学的思考」,おもちゃを動かしてみて結果に基づいて動きを調整する実験的な活動である「科学的探究」,加えて,「好奇心」,「興味関心」,「不思議さ・面白さ」が見出されていた. 算数/数学では「数と計算」,「図形」,「変化と関係/関数」,「測定」との関連において「M(Mathematics・算数/数学)」の要素が見出されていた.また,おもちゃを改良するときの条件の設定や遊びを考えるときのルールの設定などの「論理的思考」,長さや重さ,大きさを測ったり,比べたり,変えたりする際に,数学的な考えを用いていることから「数学的思考」,数値で具体的にあらわしたり,数値を活用して比較することを通して試行錯誤する「数学的探究」が見出されていた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
初年次の2021年度に計画していた生活科における科学・数理的要素の同定については,概ねその目標を達成し,学術研究にみる小学校生活科における科学的・数理的要素について先行研究を調査して日本科学教育学会の年会で報告した.また,生活科の教科書における科学的・数理的要素について調査し,日本科学教育学会の研究会で報告した.しかしながら,もう一つ予定していた教員への研修会や研究協力後での授業実践は,新型コロナ感染拡大の影響で実施することができなかった. 2021年度に続き2022年度も学校現場での研修会や授業開発の実施が困難となり,調査対象を教員志望学生に切り替えて研究を進めた.切り替えにあたり,計画の見直しが必要となったことおよび学内業務が多忙化したことにより,調査の実施開始が遅れ2022年度内に成果を提出することができていない現状であった. 2023年度は,教員志望学生を対象に調査を実施し,日本科学教育学会の研究会で報告したが,十分な成果を出せていないため,研究期間を延長して当初予定していた学校現場での研究実施に向け協力校の開拓を行っているところである.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,教員志望学生を対象とした研究を続け,「理」を見る力,「理」を解く力の芽を育むという観点から,生活科における指導の際の気づきの促しや活動をデザインするカリキュラム開発演習を実施し,評価・分析を行うとともに,協力校の開拓を継続して,学校現場での研究実施を実現したいと考えている.
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