Research on measures to activate science communication at research institutes such as domestic universities
Project/Area Number |
21K02927
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09080:Science education-related
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小林 俊哉 九州大学, 科学技術イノベーション政策教育研究センター, 准教授 (90345140)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 良彦 大分大学, 教育学部, 講師 (30815353)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 科学コミュニケーション / サイエンスカフェ / 科学技術・イノベーション基本計画 / 科学技術社会論 / STSステートメント / サイエンスアゴラ2022 / 新型コロナウイルス感染症 / サイエンスアゴラ / 活性化要因 / 研究組織 / 広報部門 / 海外事例 |
Outline of Research at the Start |
研究機関と社会を結ぶ科学コミュニケーション活動の重要性が、第3期科学技術基本計画で指摘されて以降、同活動を活性化するための様々な方策が推進された。この間、研究代表者は科学コミュニケーション活動を活性化するためには、研究者と研究機関の広報担当者の協働が不可欠であることを2010年度に実施した実態調査で明らかにした。そこで本研究では、研究機関における科学コミュニケーション活動推進環境が、2010年度以降の十年間にいかなる変化を遂げ、どのような経験を蓄積しているかを改めて把握し、科学コミュニケーション活動の活性化要因の変化を明らかにすることにより、広く国内大学等研究機関に対する実践的提言を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究事業2年度目の2022年度は、初年度の2021年度に実施した九州大学所属研究者向け質問票調査の継続調査と調査結果の分析を行った。この調査は、研究代表者が所属する国立大学法人九州大学の理系教員と文系教員並びに複合領域分野の合計2,245人(2021年3月現在)に対する質問票調査として実施した。2021年度中は九州大学の理系教員向け調査を実施し、2021年度末から2022年度前半にかけて継続調査として文系・複合領域教員向けに質問票調査を実施し、その調査結果の分析を進めた。その結果、理系教員の科学コミュニケーションについての認知度は39.1%と4割を切る数値であったのに対して、文系・複合領域教員は51.8%と5割を超える教員が認知していることが分かった。一方、科学コミュニケーション活動の受容性については理系教員の72.4%が同活動に高い受容性を示したのに対して、文系・複合領域教員は66.3%と理系教員と比べて6.1%低かった。受容性とは科学コミュニケーション活動に対して九州大学所属教員が積極的に参加の意向を示す度合いを示す傾向であり、科学コミュニケーションの内容を記述した説明文を調査票に明記して回答を求めたものである。このように理系教員と文系・複合領域教員の間に科学コミュニケーションに関する「認知度」と「受容性」の2点について顕著な差異が見いだされた。このような差異が生ずる原因については、さらなる追跡調査が必要であると考える。 また2022年度は、同年11月6日に科学技術振興機構(JST)主催『サイエンスアゴラ2022』にて「STSステートメント・サイエンスセッション」と題する科学コミュニケーション実践を行った。さらに2023年3月18日に「STSステートメント・オンラインサイエンスカフェ」を開催するなど、2021年度に引き続き科学コミュニケーション実践を推進した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、「国内大学等研究機関向け質問票調査」を初年度の2021年度後半と二年度目の2022年度前半に実施する予定であった。同調査は国公私立大学等の国内研究機関合計150件に対する質問票調査として計画した。調査対象は令和元年度科学研究費補助金採択研究機関から抽出することを目指した。その理由は公的予算を原資とする科研費の採択を受けた研究機関は、納税者への説明責任を果たすため科学コミュニケーション活動の実施がより強く求められるであろうと想定できるためである。同調査により、科学コミュニケーション活動担当部門の組織的特徴や個々の所属研究者との連携状態から同活動活性化要因を抽出することを予定しており、特徴的な事例が抽出された研究機関については、追加的な面接調査を実施することを検討していた。しかし2020年度から2022年度前半まで新型コロナウイルス感染症対策のための行動規制が国内各大学で敷かれ、このため対面による科学コミュニケーション活動が著しく低下した状態が続いた。こうした状況を勘案し上記調査の実施をいったん延期とした。この間に上記調査のための質問票と調査対象リストの作成を研究分担者と進めた。2022年度に入り、国内各大学で漸次行動規制の緩和が進められた状況を俯瞰し2023年度に上記調査を実施することとした。なお、このような事情を奇貨として「新型コロナウイルス感染症」が国内各大学の科学コミュニケーション活動に及ぼした影響についても質問票に織り込むこととした。以上の措置により同調査を新年度に持ち越しても研究全体のスケジュールに影響は少なく、2023年度に遅延を取り戻すことが十分に可能と研究代表者は判断している。
|
Strategy for Future Research Activity |
本調査研究事業最終年度の2023年度は、2021年度と2022年度に実施した九州大学研究者個人向け質問票調査集計結果から得られた特色ある事例についての追跡面接調査、統計的分析の深堀を行う。併せて他大学での研究者個人向け質問票調査の実施を継続して検討する。特に研究分担者が在籍する国立大学法人大分大学を優先して調査対象とする。2022年度から延期した国公私立大学等の国内研究機関合計150件に対する質問票調査も当年度内に実施することを目指す。 また、当初の研究計画で3か年目に予定していた海外先進事例調査を進める。当初の予定では北欧デンマークのコペンハーゲン大学ニールス・ボーア研究所が2010年から実施している“Science & Cocktails”などの特色ある先進事例の担い手に焦点を当てた事例調査を実施する。可能であれば現地訪問調査を実施する所存であるが、現地の社会情勢などを鑑み文献調査、WEB調査、リモートインタビューなどの方法を組み合わせて可能な手段で知見を収集する予定である。 さらに初年度と二年度目に実施した科学技術振興機構(JST)主催『サイエンスアゴラ』における「STSステートメント・サイエンスセッション」の出展、「STSステートメント・サイエンスカフェ」の開催等を本調査事業の主要研究テーマである科学コミュニケーションの実践活動として、また本研究成果の広報の場として継続して展開する。
|
Report
(2 results)
Research Products
(15 results)