子どもの幸福観の形成を支えるソーシャル・ネットワークに関する発達的研究
Project/Area Number |
21K02999
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
寺川 志奈子 鳥取大学, 地域学部, 教授 (30249297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 宣之 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (20270861)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | ソーシャルネットワーク / 主観的幸福感 / 重要な他者 / 発達 / 小学生 / 中学生 / 幸福観 / ソーシャル・ネットワーク / 思春期 / 人間関係 / 心理的距離 / 幸福度 / 幸福感 / 児童 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、子どもにとって心理的な支えとなる人間関係(ソーシャル・ネットワーク)が今、どのような特徴を有しているかについて、発達的観点、および国際比較の観点から明らかにする。また、子どもの幸福度と幸福観について量的および質的に明らかにし,ソーシャル・ネットワークとの関連性を発達的に検討する。これらをもとに,子どもの幸福度を高めるための社会的環境として、どのようなソーシャル・ネットワークの構築が求められているか明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍において、子どもたちの人間関係は大きく影響を受け、そのことが子どもの幸福度(well-being)にも大きな影響を与えていることが推察される。本研究の目的は、第1に、小・中学生にとって心理的な支えとなる人間関係(ソーシャル・ネットワーク)が今、どのような特徴を有しているのかを、①「重要な他者」に関する質問紙調査、②親や友人と自身との心理的距離を測る調査、③友人の果たす役割を多面的に評価する概念地図による調査を実施することにより、発達的・包括的に明らかにすること、第2に、子どもたちがどれくらい生活に満足しているのか(幸福度)、またどのような「幸福観」をもっているのかについて、量的および質的に明らかにし、第1で捉えられたソーシャル・ネットワークとの関連性を発達的に検討すること、第3に、国際比較のなかで幸福度の高いフィンランドにおいて同一の調査を実施することにより、発達的、および国際比較の視点から、今、日本の子どもたちの幸福度を高めるための社会的環境として、どのようなソーシャル・ネットワークの構築が求められているのかについて明らかにすることである。 2年目にあたる2022年度は、日本の小学生(3、4、6年)・中学生(2年)を対象に、①「重要な他者」に関する質問紙調査、②生活満足度(主観的幸福感)の測定、③「幸福観」に関する概念地図を書く調査(小学生のみ)を実施した。結果の概要は、発達的変化として、小学4年生から6年生にかけて“重要な他者”は、母親を中心とする大人から友達への移行がみられ、また「ひとりがいい」「誰にも相談しない」ことの増加がみられた。また、ソーシャル・ネットワークの型が、幸福感と関連していることが示された。母親を中心とする家族ネットワークをもつ子どもの幸福感は高く、一方、ネットワークを持たない「ひとり型」は幸福感が低かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた子どもの幸福度、およびその関連要因のひとつと考えるソーシャル・ネットワークに関する調査を実施し、小学生、中学生を対象に、およそ600人のデータを収集することができた。ただ、今後、幸福度の高いフィンランドとの国際比較を行うための、打ち合わせ、予備調査を実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染拡大により今年度は実施できなかった、国外(フィンランド等)への研究調査を実施する計画を立てている。国際比較調査において幸福度が高いフィンランドの子どもたちを対象とした調査を実施し、これまでの調査によって得られた、日本の小・中学生を対象とした調査と比較検討を行う予定である。子どもの幸福度、および幸福観と、その背景要因としてのソーシャル・ネットワークとの関連について、発達的な視点に立って国際比較研究へと展開していく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)