言語活動における認知プロセスの検討と実践への適用に関する研究
Project/Area Number |
21K03009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
伊藤 貴昭 明治大学, 文学部, 専任准教授 (20550445)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 説明 / モニタリング / 共感性 / 自己評価 / 言語活動 |
Outline of Research at the Start |
本研究は教室での言語活動を充実させるため,特に説明活動における「聞き手」に着目し検討するものである。 聞き手は説明場面で生成される説明内容をどのようにモニタリングしているのか,そのモニタリングの正確性や理解との関連について明らかにすることが目的である。 同時に,教室で実施されている言語活動についても認知メカニズムに基づいて振り返ることで,よりよい実践へのつなげていく示唆を得たい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,説明活動の認知プロセスに基づき,説明者および聞き手のモニタリングの特徴,既有知識の違いが与える影響,そして実践での検討である。 2022年度は,2021年度に新たに作成した幾何学的な図形を用いた課題を使用し,説明者のモニタリングの正確性と共感性との関係を検討した。説明者の共感性という個人差が説明内容にどう影響するかについて,課題の正答数との関係を分析した結果,共感性のうち,自己指向的な認知傾向である「想像性」と正答数の間に負の相関関係があることが示された。一方,説明活動で指摘されることの多い「相手の立場に立って説明する」ということと関連する「視点取得」については,正答数との間に明確な関連性は示されなかった。 この結果は,説明者が自分の見方を当てはめてしまうと説明の質が高まらないことを示唆しており,説明活動を促すうえでの留意点を示しているといえる。つまり,「相手の立場になる」ということだけを強調していても,説明の質が高まるわけではなく,むしろ「自分だけの見方にならない」ことを強調することが,説明活動の質を高める第一歩になりうるということである。 なお,聞き手のモニタリングの正確性を高めていくための方策については,今後の課題として残されている。 また,2022年度は,教育現場での授業への参加も徐々に開始され始めたため,話し合い活動が活発に行われている学校への参観も行った。現場の教師とも意見交換し,いかに話し合い活動の質を高めていくかについての示唆を得ることができた。今後は,具体的な介入の手立てを考案し,その成果を確認していくことが課題として残されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は説明者の特徴の一つである共感性に着目した説明の質を検討した。これは本研究の目的の2つ目であるモニタリングと既有知識との関係を検討する前段階ではあるものの,成果として学術雑誌にも掲載が決定し,今後の研究につながっていくため,概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
説明活動を対象にした研究は,参加者に説明活動に取り組んでもらう必要があるため,調査実験に参加する参加者に大きな負担を強いることが多い。今後は,Qualtricsなどのオンライン調査ツールを適宜活用するなど,参加者が現場に来なくても,スマートフォンなどで気軽に解答できるような環境を整備して,負担感の少ない研究を実施していく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)