Project/Area Number |
21K03017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
丹下 智香子 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, 研究員 (40422828)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 死に対する態度 / アドバンス・ケア・プランニング / 生涯発達 / 長期縦断疫学研究 |
Outline of Research at the Start |
「死」の課題に取り組み、死に備えることは、成人中・後期の重要な発達課題である。本研究は、一般地域住民を対象とした大規模縦断調査データを用いて、成人中・後期における死に対する態度の縦断的変化と「人生の最終段階における医療等に関する要望」の関連を、心身の健康状態やライフイベント、心的発達等の影響も考慮しつつ検討する。これにより、成人中・後期の人が最期まで能動的に「よりよい人生」を生きるために役立つ、死生観および人生の最終段階で受ける医療等の要望に関する基礎的かつ有用な資料を得て、将来的なアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の普及に資する知見を提供することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
1.研究の目的:成人中・後期の一般地域住民を対象とした「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」のデータを用いて、成人中・後期における死に対する態度の縦断的変化と「人生の最終段階における医療等に関する要望」の関連を、心身の健康状態やライフイベント、心的発達等の影響も考慮しつつ検討する。これにより、成人中・後期の人が最期まで能動的に「よりよい人生」を生きるために役立つ、死生観および人生の最終段階で受ける医療等の要望に関する基礎的かつ有用な資料を得ることを目的とする。 2.令和5年度の研究:(1)成人中・後期者を対象としたWeb調査のデータ(注:NILS-LSA第10次調査に組み込むアドバンス・ケア・プランニング(ACP)関連項目の予備調査として、令和4年3月に実施)を用いて、自己の人生の最終段階におけるケアや過ごし方などに関する要望に関連する要因を検討した。その結果、中高年者の人生最終段階における要望には主に婚姻状況、主観的健康感、死別経験が関連するが、中年者では自身の大病・大事故経験が、高齢者では部分的に介護経験が影響する可能性が示唆された。また、個人の死に対する態度と人生の最終段階における要望の関連性については、側面による相違があること、および両者の関連性は人生後半のライフステージを通して安定している可能性が示唆された。 (3)NILS-LSA第1次-第9次調査のデータを用いて、成人中・後期における死に対する態度の縦断的変化パターングループ(潜在クラス)の抽出を行った。 (4)NILS-LSA第10次調査(令和5年2月開始)にて、死に対する態度および上記のACP関連の質問項目を含む調査票を実施している。 本研究により得られる知見は、将来的なACPの普及に資する重要な資料となると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、今年度はNILS-LSAの既存データを用いて、(1)死に対する態度の5側面を同時に考慮して複数の特徴的な縦断的変化パターングループ(潜在クラス)を抽出し、各グループの特徴を検討すること、(2)死に対する態度尺度内の「身体と精神の死」(低いQOLの状態での延命を扱う側面)と他の4側面間の関連を縦断的に検討すること、および(3)NILS-LSAフォローアップ調査(第10次調査)を実施すること、を目的としていた。 実際には、(1)に関しては解析を行い、部分的に学会発表を行うとともに、論文執筆に着手したが、(2)に関しては、解析実施に向けた準備を行っている状態である。(3)に関しては、当初の計画では今年度中に第10次調査終了を予定していたが、開始時期の遅れ、および施設・設備の利用可能枠による制限で1日あたりの参加可能人数が少なくなったことにより、次年度も引き続き調査を実施していくことが必要である(令和5年2月~令和6年3月末の参加者543名)。そのため、研究の進捗状況としてはやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度はNILS-LSA既存データセットを用いて、(1)死に対する態度の5側面を同時に考慮した、複数の特徴的な縦断的変化パターングループ(潜在クラス)の抽出と各群の特徴に関する論文執筆・学術誌への投稿、(2)死に対する態度の縦断的変化(下位側面ごとの平均的軌跡)に対して、ライフイベント・身体的/精神的健康状態の変化が与える影響、および心的発達・幸福感の変化との縦断的な関連の解明と学会発表、および(3)引き続きNILS-LSA第10次調査を実施し、死に対する態度、およびACP関連項目等のデータ収集を行う。
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