学校教育で獲得された科学的知識の転移およびその抑制・促進要因に関する研究
Project/Area Number |
21K03020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
工藤 与志文 東北大学, 教育学研究科, 教授 (20231293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 誠子 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (20633655)
進藤 聡彦 放送大学, 教養学部, 教授 (30211296)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | ルール学習 / 既知性効果 / 既有知識 / 知識の適用 / 課題解決 / 科学的知識 / 知識の転移 / 学校教育 / 知識の機能 / 知識教授 / 誘導法 |
Outline of Research at the Start |
学校で学んだ知識は、はたして学校外で活かされているのだろうか。本研究は、学校教育で獲得された科学的知識が学校外の場面・状況での問題解決にどの程度使われるのか、その実態を明らかにするとともに、知識の活用を促進したり抑制したりする要因を検討する。特に、授業における「知識の教え方」に着目し、どのような教授方法が知識の活用を促進するのか、あるいは抑制するのかを明らかにし、教授法の具体的な改善によって、知識の活用可能性を高めることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では、前年度の研究で見出された「知識適用における既知性効果」について、その一般性と生起機序に関する研究を中心に行った。「知識適用における既知性効果」とは、新たに学習した知識を適用するか否かの判断において、適用可能なカテゴリーに所属していることが既知であった事例と未知であった事例では異なり、後者に対して知識適用を抑制する傾向のことである。まず「既知性効果」の一般性を確認するため、先行研究とは異なったカテゴリー(動物)に関するルールの学習においても既知性効果が再現されるか検討した。さらに、その生起機序に関する情報を得るため、ルールの特性について豊富な既有知識を持ちうる特性(有意味特性)と既有知識が乏しいと考えられる特性(無意味特性)の2種類を設定し、それらのルールの適用状況を比較した。その結果、有意味特性に関するルール(動物は消化器を持っている)では既知性効果が再現されたものの、無意味特性に関するルール(動物の細胞には中心体がある)では既知性効果は見られなかった。以上の結果は、特性に関する学習者の既有知識が「既知性効果」の生起機序に影響していることを示唆するものである。すなわち、有意味特性に関するルールを未知事例に適用しようとする場合、未知事例のカテゴリー所属に関する知識と有意味特性に関する知識を同時に見直す必要があり、このような心理的負担がルール適用を困難にするものと考えられる。さらに、別のカテゴリー(種子植物)に関するルールの学習において同様の検討を行ったが、ここでは有意味・無意味いずれの特性に関するルールでも「既知性効果」が認められた。以上の結果を総合すると、「既知性効果」の生起機序には、既有知識依存型と既有知識独立型の2種類があることが推定される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の成果であった「知識適用における既知性効果」が他のルール学習場面でも再現され、その一般性についての知見が得られたことや既知性効果の生起機序について重要な知見が得られたことため。
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Strategy for Future Research Activity |
「知識適用における既知性効果」の生起機序に、既有知識依存型と既有知識独立型の2種類があるという仮説の検証をさらに続けるとともに、「ルールの予測機能」を教授する効果とこれらの生起機序の間に適性処遇交互作用(ATI)が認められる可能性を検討する。すなわち、既有知識独立型の機序の場合には、予測機能の強調が効果的であると予想されるが、既有知識依存型の場合、単に予測機能を強調するだけでは不十分であると考えられ、関連する既有知識そのものの見直しが必要となることが予想される。以上のATIが実際に生じるか検討するとともに、予測機能の教授効果を補う新たな教授方略の開発を行っていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)