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偶発学習に及ぼす想起されたエピソードの効果および学習者の情動処理能力の個人差

Research Project

Project/Area Number 21K03038
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 10020:Educational psychology-related
Research InstitutionOtemon Gakuin University

Principal Investigator

豊田 弘司  追手門学院大学, 心理学部, 教授 (90217571)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Keywords自己選択効果 / 情動の制御と調節 / 自伝的エピソード / 偶発記憶 / 再生成績 / 情動知能 / 自伝的精緻化 / 個人差 / 差異性
Outline of Research at the Start

本研究では偶発学習において学習項目に過去のエピソードに関する情報を付加する自伝的精緻化が、他の情報を付加する精緻化よりも有効であることを明らかにし、その有効性を規定する要因及び参加者の情動処理能力である情動知能の個人差との関係を検討する。
実験は偶発学習手続きを用い、単語から過去のエピソードを想起させる自伝的精緻化条件を設け、統制条件として他の精緻化条件との自由再生率の比較を行う。また、想起されたエピソードの属性を分析し、偶発学習成績に貢献する自伝的精緻化の属性を解明し、さらに参加者の情動知能尺度得点と再生率との関係を検討し、情動知能の個人差が自伝的精緻化の有効性に及ぼす効果を明らかにする。

Outline of Annual Research Achievements

本研究は,どのような自伝的エピソードが記憶を促進し,参加者の情動処理の個人差による記憶促進の違いを検討するものである。
本年度は,提示された単語対から想起される過去の自伝的エピソードの感情価が,単語を選択する際の選択規準に適合しているか否かによって,再生に及ぼす効果の違いを検討した。単語対を快語ー中立語に設定し,参加者が選択規準を快規準(より快なエピソードが想起される語を選択)及び不快規準(より不快なエピソードが想起される語を選択)にして単語を選択する場合(自己選択条件)の選択された語の再生率を調べた。その結果,快規準にした場合が不快規準に設定した場合よりも選択された語の再生率が高いことが明らかになった。また,単語対の片方を指示してその単語から快もしくは不快エピソードを想起させる条件(強制選択条件)との再生率の違い(自己選択効果量)も検討した。その結果,自己選択効果量は,快規準で選択した場合が不快規準で選択した場合よりも大きかった。これらの結果は,単語から喚起されるエピソードの感情が選択規準で設定された感情と一致する場合(快規準で選択する場合)に,選択された語(自己選択語)は,指示された語(強制選択語)よりも認知構造へ統合されやすいと解釈された。
さらに,参加者の情動知能における情動の制御と調節(MR)能力の個人差による違いを検討した。その結果,MR能力の高い参加者における快規準による自己選択効果量(自己選択条件における再生率ー強制選択条件における再生率)が,MR能力の低い参加者における自己選択効果量よりも大きかった。そこには,不快規準による選択条件において自己選択及び強制選択条件で再生率が低下していることが反映されている。したがって,MR能力の高い参加者では,選択規準と適合しない不快感情が抑制され,適合する快感情は抑制されず,それが自己選択効果量へ反映されたと解釈された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在まで,通常の偶発記憶手続き及び意図記憶手続きを用いた実験をそれぞれ3つずつ行ってきた。その結果,研究の主目的である記銘語の検索に有効な自伝的エピソードの特徴を明らかにすることができている(エピソードの鮮明度,懐かしさ)。また,単独の特徴だけでなく,複数の特徴の相互作用による効果も明らかにしている。そして,記憶成績の上位群と下位群では検索に利用するエピソードの性質が異なることも明らかにした。さらに,情動知能の個人差との関係も明らかになり,単に自伝的エピソードの特徴を言及するだけでは不十分であり,個人の特性との関係が規定要因である可能性を示唆するデータが得られている。このように順調に成果を見いだしてはいるが,実験材料作成に時間がかかり,予定している実験がやや遅れ気味である。ただし,実験データから見いだした新しい結果を参考に新たな分析を考案する過程での進展もある。
したがって,研究全体としてはおおむね順調に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

今後は,情動知能以外の個人差との関連を検討する。具体的には時間的展望体験尺度を用いて,未来への志向性の高い者は,単語から想起される未来エピソードによる促進効果が見られると予想できる。すでに予備実験を行い,条件による違いはあるものの,時間的展望体験の誓いによって,自伝的エピソードの時間系列(過去,未来)による効果が異なる可能性が示されている。
本課題の研究申請期間は,本年度で最終年度になるが,コロナによる影響で検討すべき課題を完全にクリアできているとはいえない。予算が残っている状況である。したがって,期間延長の申請をする可能性も含んで,本年度は上述したような着実な実験計画を考えている。また,これまでの成果を学会発表はもちろん,研究会等で公開する計画である。

Report

(3 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • 2021 Research-status Report
  • Research Products

    (7 results)

All 2024 2023 2022

All Journal Article (1 results) Presentation (6 results)

  • [Journal Article] 偶発記憶における自伝的精緻化の有効性を規定するエピソードの属性2024

    • Author(s)
      豊田弘司・増田羽恭
    • Journal Title

      追手門学院大学心理学部紀要

      Volume: 18 Pages: 114-114

    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 偶発記憶に及ぼすエピソードの時間属性の効果ー目標指向性の個人差に関する検討ー2023

    • Author(s)
      豊田弘司
    • Organizer
      日本教育心理学会第65回総会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 偶発記憶における自伝的精緻化の個人差2023

    • Author(s)
      豊田弘司
    • Organizer
      日本心理学会第87回大会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 意図記憶に及ぼすエピソードの時間属性の効果2023

    • Author(s)
      豊田弘司
    • Organizer
      関西心理学会第134回大会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 個人内における再生語と非再生語に対応する自伝的エピソードの違い2022

    • Author(s)
      豊田弘司・増田羽恭
    • Organizer
      日本教育心理学会第64回総会
    • Related Report
      2022 Research-status Report
  • [Presentation] 自伝的精緻化におけるエピソード属性と偶発記憶2022

    • Author(s)
      豊田弘司
    • Organizer
      日本心理学会第86回大会
    • Related Report
      2022 Research-status Report
  • [Presentation] Relationships among attributes of episodes in autobiograhical elaboration memory2022

    • Author(s)
      Toyota, H. & Masuda, H.
    • Organizer
      Advance (a SAGE Preprints community), Preprint posted on 09.04.2022,https://advance.sagepub.com/.com
    • Related Report
      2022 Research-status Report

URL: 

Published: 2021-04-28   Modified: 2024-12-25  

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