統合プライミング法を活用した非意識推進型介入研究:幼児の援助行動育成の新機軸
Project/Area Number |
21K03040
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
|
Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
内山 有美 四国大学, 生活科学部, 准教授 (60735843)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 勝之 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 特命教授 (50191250)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Keywords | プライミング法 / 援助行動 / 非意識的制御 / ユニバーサル介入 / 幼児教育 |
Outline of Research at the Start |
本研究は援助行動の育成に焦点をあてた非意識的な介入方法を開発し、幼保関連施設での保育・教育場面における恒常的適用を可能とする実用パッケージを完成させることが目的である。非意識的な介入方法としてプライミング法を採用する。プライミング法とは、心的活動に関連する刺激を提示することで、非意識的に生起システムの活性化が起こり、反応の生起が促進、もしくは抑制される現象である。援助行動を目標とするプライミング法を幼児に適した形で複数開発し、対照群を設定した参加者間要因配置計画で短期的・長期的な効果を検証する。最終年度には介入の理論や実施方法等の説明資料と教材セット等を揃えた実用パッケージを完成させる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は幼児の援助行動を育成するためにプライミング法を活用した非意識的な介入方法を開発し,幼児集団に対する実施と効果検証を行うことで有用性の高い教育プログラムの確立を目指している。(1)2022年度は教育プログラムの効果検証に用いる複数の援助行動尺度を作成し,その信頼性と妥当性の検証を行った。採用された尺度はイラスト冊子を用いた物語課題と仮想場面の提示から後続行動を選択する三択課題の2種類で,信頼性は内的一貫性と再検査信頼性による検証を行い,妥当性は尺度得点の上位下位群とクラス担任による行動評価との関連を検証した結果,両尺度ともに十分な信頼性と妥当性を有することが確認された。援助行動尺度の内容や尺度の精度を検証した成果は,日本教育心理学会第64回総会,日本発達心理学会第34回大会,International Convention of Psychological Science(ICPS)にて発表した。(2)2023年度は幼児集団に対する個別プライミング法として4種類の介入課題を作成した(絵カードの並び替えを行う「時系列配置課題」,援助が必要な場面を検出する「お助け探し課題」,援助行動が描写された「ジグソーパズル課題」,援助行動とそうでない行動の違いを見つける「間違い探し課題」)。対照群を含む幼児集団5グループに異なる課題を用いて介入を実施した。その結果,援助行動尺度の介入前後において「間違い探し課題」を除く介入課題で有意な得点差が認められた。また,前後得点の変化量はすべての介入群で対照群よりも得点が高いことが確認された。個別プライミング法を実施することによる成果は日本発達心理学会第35回大会にて発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度は援助行動を測定するための複数の尺度を作成し,信頼性と妥当性を備えた幼児用援助行動尺度を開発した。2023年度は介入に用いる課題を作成し,課題ごとに幼児の援助行動に変化がみられるかについて検証したところ,効果が認められた介入課題や改善が必要な課題を明らかにすることができた。本研究は研究計画に従い順を追って進めることができているが,初年度の2021年度は新型コロナウイルス感染症の影響により幼児集団を対象とした調査を実施することができず,初年度の計画の遅れが続いているため「遅れている」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに幼児の援助行動を測定するための尺度を開発し,個別プライミング法による介入効果を検証した。その結果,高い効果が期待できる介入課題や,さらに効果を高めるために必要な改善点を明らかにすることができた。これらの成果を踏まえて,今後は個別プライミング法を組み合わせた統合プライミング法による非意識的介入方法を作成し,介入実施による援助行動への影響について検証を行う。また,幼児集団というユニバーサル介入の利点を活かして幼児の積極的な参加を促しながら,幼児を惹きつける魅力的な課題内容となるよう工夫を施すことにより,保育・教育場面でも適用可能な教育プログラムを完成させる。最後に,介入の理論や実施方法等の説明資料と教材セット等を揃えた実用パッケージを作成する。
|
Report
(3 results)
Research Products
(6 results)