Project/Area Number |
21K03055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
笠井 さつき 帝京大学, 付置研究所, 教授 (70297167)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 発達特性パートナー / カサンドラ症候群 / 女性のメンタルヘルス / 障害の社会モデル / 女性の主体性支援 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、発達特性パートナーとの関係不全に悩むいわゆる「カサンドラ症候群」と言われる女性の心理療法支援を取り上げ、障害の社会モデルの視点を導入することにより、治療関係の膠着や中断、女性の無力感・自責感の高まりによる世代間連鎖を防ぎ、適切な心理支援モデルを構築することを目的とする。具体的には、①専門的相談機関において該当ケースが心理支援職によってどのようにアセスメントを受けて対応されているのか,心理支援職を対象としたアンケートによる量的調査の実施②心理支援職のインタビュー調査の実施③発達特性パートナー向けテキスト作成,④発達特性パートナーのインタビュー調査を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、女性のメンタルヘルス分野における重要な課題である発達特性パートナーとの関係不全に悩む女性の心理療法支援を取り上げ、障害の社会モデルの視点を導入することにより、治療関係の膠着や中断、女性の無力感・自責感の高まりによる世代間連鎖を防ぎ、適切な心理支援モデルを構築することを目的とする。具体的には、以下3点について取り組む。1)専門的相談機関に対する質量混合調査の実施 2)発達特性パートナーとの関係不全に悩む女性向けテキスト作成、情報提供 3)女性であることの主体性の考察 これらの分析結果を学会発表・論文投稿する。研究結果を総合した考察として、日本で母親であることの主体性 maternal subjectivity の観点から論考を進め、NPO法人女性心理臨床ラボでのシンポジウム開催、学会発表と論文投稿を行い、さらにアップデート及び心理教育効果を検証する。 以上の計画のうち、当該年度においては、発達特性パートナーとの関係不全に悩む女性向けテキスト「カサンドラ症候群ということについて考える」を研究協力者の濱田純子が作成し、NPO法人女性心理臨床ラボのホームページ上に掲載した。また、心理支援職を対象として実施したアンケートとインタビュー結果を学会発表(第42回日本心理臨床学会 2023年9月1日 横浜)し、論文投稿を行ったものの採択に至らず、現在修正投稿の準備を進めている。 さらに作業を進めるため、2023年度に補助事業期間の延長申請を行い承諾された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
発達特性パートナーとのアンマッチに苦しむ女性クライエントの心理支援について,心理支援者間では共有されることの多いものの,学術的な場で議論される機会は乏しいため,心理支援職の本テーマに関する知見や工夫を集積した。 具体的には、専門家向けメーリングリストによる調査協力者の募集により、39名の心理支援職(精神科医を含む)の協力を得て、アンケート調査結果の記述統計と自由記述をまとめた。インタビューは13名の協力を得て録画し、逐語に起こし、KJ法(川喜田2018)を援用して分析を行った。これらのアンケートとインタビュー結果を学会発表(第42回日本心理臨床学会 2023年9月1日 横浜)し、論文投稿を行ったものの採択に至らず、現在修正投稿の準備を進めている。 最終年度に論文作成にとりかかることはできたものの、調査期間が新型コロナウイルス感染症対策期間とも重なったため、調査活動にもその影響が出て、準備には予想以上の時間がかかることとなった。そのため、初回論文投稿が2023年度末となり、現在その後の修正作業を行っている。延長申請期間内に、論文の再投稿と掲載を目指している。 今回の査読で指摘を受けた個所の修正を進めており、多くの心理支援者にとって有益な情報として使用できる、学術雑誌もしくは紀要論文掲載および機関リポジトリを検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究における目標として、1)専門的相談機関に対する質量混合調査の実施 2)発達特性パートナーとの関係不全に悩む女性向けテキスト作成、情報提供 3)女性であることの主体性の考察 の3点を設定した。 これらについて、現在のところ、1)については、心理支援職対象のアンケート・インタビュー調査結果の分析をもとに論文投稿し、不採択であったために修正作業を行っている段階である。 2)については、すでにNPO法人女性心理臨床ラボのホームページにテキストを掲載した。 3)女性であることの主体性の考察(これらの研究結果を総合した考察として、日本で母親であることの主体性 maternal subjectivity の観点から論考を進め、NPO法人女性心理臨床ラボでのシンポジウム開催、学会発表と論文投稿を行い、さらにアップデート及び心理教育効果を検証する。)については、NPO法人女性心理臨床ラボ主催のオンライン講座における講義内で、報告を行った。 本テーマに関しては、現在修正中の論文掲載後に、その結果を踏まえて女性であることの主体性を考察していく研究を進め、日本におけるジェンダーの問題としての視点からも検討を行っていく。さらに、可能な限り当事者のインタビュー調査も含めた形で、学会発表と論文投稿を行う予定である。
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