パーソン・センタード・セラピーによる心理的効果の安定に関する研究
Project/Area Number |
21K03098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
中田 行重 関西大学, 人間健康学部, 教授 (00243858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 陽彦 関西大学, 人間健康学部, 教授 (20527113)
阿津川 令子 関西大学, 人間健康学部, 教授 (70231941)
上西 裕之 大阪大谷大学, 人間社会学部, 准教授 (40847571)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 中核条件 / 具現化尺度 / 半楮化面接 / 修正版グラウンデッド・セオリー / Rogers / プロセススケール / ストレス理論 / パーソン・センタード・セラピー / セラピストの態度 / インタビュー調査 / M-GTA / 質問紙 / 因子分析 / 構成概念妥当性 / インタビュー / PCT固有の効果 / holding difficulties / 困難を受け止める力 / 問題や症状を抱える力 / 心理療法の効果 |
Outline of Research at the Start |
「困難を受け止める力」概念を「問題や症状を抱える力」概念へと拡げ、パーソン・センタード・ セラピー(PCT)のクライエントへのインタビューと質問紙調査によりその力を調査し、それとPCTの効果の関係、「問題や症状を抱える力」が増す過程を明らかにする。 ①:問題や症状を抱える力の質問紙を開発し、PCTの固有の効果と主観的苦悩度を測定する質問紙を加えて調査方法をパッケージ化する。 ②:「問題や症状を抱える力」と「PCT固有の効果」、「主観的な苦悩度」等の変化や効果量の算出により治療効果の分析を行う。 ③:PCT固有の効果や「問題や症状を抱える力」にセラピーや日常生活がどう影響しているかを質的に調査する。
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Outline of Annual Research Achievements |
一昨年にわれわれが開発した中核条件の具現化尺度(Scale of Therapists’ Enbobyment of Core conditions)をWAPCEPCの国際学会PCE2022で発表した。その尺度で高得点を示すセラピスト(Th)に対し、昨年度はインタビュー調査を行い、彼・彼女らのクライエント(Cl)に生じた変化のデータを収集した。そのデータの逐語記録を作成し、修正型グラウンデッド・セオリー(木下, 2007)を参考に質的研究の分析を行った。2023年度も更にその分析を継続し、パーソン・センタード・セラピー(PCT)におけるクライエント(Cl)の変化を検討した。その結果、Clはセラピーにおいて次第に「Thに《否定されない・Thに受け止められる体験》を経て《Thと協働と融和の感覚》が生じ、また《素でいられる場所としてのセラピー》の場が作られる。次にClには【自分の問題を抱える力の深化と、自己の安定化、弾力化】や【自分の感じていることの探索と確信の芽生え】が生じ【自分らしくあること(本来性・主体性)の賦活】が生じてくる。これに並走する形で【社会性に関わる変化】【心身の苦痛・苦悩が軽減する】というストーリーラインが得られた。 本研究で得られたこの知見にはRogersらによるプロセススケールと共通する部分と異なる部分とがある。また、今回の結果にはPCTの自己理論に現代のストレス理論の融合がみられるという意味で刷新的な視点である。そして最終的にはClが「自律し自立する」ことを示しているが、この終結の局面もプロセススケールには描かれていない新しい知見である。 今後は更に同様のデータを蓄積・分析することで、Rogersによるプロセススケールとは異なる現代の日本に適合する質問紙の作成を計画している。なお、この質的研究は昨年の日本人芸心理学会第42回大会で発表した。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)