可換環論・数え上げ組合せ論・組合せトポロジーの間の相互関係の研究
Project/Area Number |
21K03190
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
村井 聡 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (90570804)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | スタンレー・ライスナー環 / cover ideal / graded Betti numbers / 凸多面体 / Spechtイデアル / 単項式イデアル / 単体的複体 / Volume polynomial / 自由分解 |
Outline of Research at the Start |
数学分野における次の3つの研究分野「(a) 可換環論における単項式イデアルの研究」、「(b) 凸多面体の数え上げ組合せ論」、「(c) 単体的複体の組合せトポロジー」、の間には深い相互関係があることが知られている。特に、ここ5 年程の間に上記の関係と関連する革新的な研究が次々と行われ、当該研究分野は現在大きな盛り上がりを見せている。本研究では、volume polynomial、多面体モース理論、などのここ数年の間で大きく注目されるようになった研究対象について研究を進め、可換環論、数え上げ組合せ論、組合せトポロジーの3 つの分野の間の関係をさらに深いものとすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は可換環論と組合せ論の間の相互関係を発展させることである。特に、現在知られている「(a) 可換環論における単項式イデアルの研究」、「(b) 凸多面体の数え上げ組合せ論」、「(c) 単体的複体の組合せトポロジー」、の間の相互関係を更に発展させることを目指している。本年度の主な研究成果は以下の通りである。 1.Thanh tam Nguyen (Hung Vuong University)との共同研究でbalanced neighbourly polynomial(BNP)という概念を導入し、その基本的な性質を調べた。このpolynomialは、balanced neighbourly単体的球面と呼ばれる組合せ論的な対象を代数的に抽象化したものであり、どのようなタイプのBNPが存在するかという問題の解決が重要となる。本研究ではこの問題を調べるための基本的な手法を考案し、pが素数の場合にタイプが(p,...,p)であるBNPの構成などに成功した。 2.早稲田大学教育学研究科の椎名美月氏との共同研究で、グラフのcover idealがいつ Betti splitting を持つかという問題について研究を行った。Betti splittingは可換環論においてよく研究されている次数付きベッチ数を調べる上で重要な手法の一つである。また、グラフのcover idealは単項式イデアルの研究において重要な役割を果たすイデアルであるが、cover idealがどのようなBetti splittingを持つかという問題はこれまで有用な結果が知られていなかった。この問題に対し、グラフが二部グラフの場合は任意の変数に関して Betti splittingが出来ることなど、cover idealのBetti splittingに関する有用な結果を得ることに成功した。
上記の研究成果は現在論文として取りまとめ、海外の学術誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の balanced neighbourly polynomialの研究により、当初の研究目標の一つである volume 多項式を応用した balanced 球面単体分割の面の個数の研究が大きく進展した。また、2022年度には凸多面体に関するGil Kalaiによる予想をスタンレー・ライスナー環についての代数的な手法を用いて四次元以外の場合に解決するなどの重要な研究成果も出ており、本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2024年度は以下の点を中心に研究を進めたい。 1.2022年度から Madhu Manjunath (IIT Bombay)と3次元凸多面体のスタンレー・ライスナーイデアルのベッチ数について、non-path complexと呼ばれる単体的複体を用いたベッチ数の新しい計算方法に関する研究を進めている。この新しい計算方法について、本年度中に研究成果を纏められるよう、研究を進める予定である。 2.2022年度に Isabella Novik (University of Washington), Hailun Zheng (University of Houston-Downtown)らと共に進めた凸多面体の affine stressに関する研究をさらに進め、2022年度には解決することが出来なかった4次元の場合のKalaiの予想の解決を目指して研究を進める。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)