Project/Area Number |
21K03213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | National Institute of Technology (KOSEN), Kure College |
Principal Investigator |
平松 直哉 呉工業高等専門学校, 自然科学系分野, 准教授 (20612039)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 極大Cohen-Macaulay加群 / 関手圏 / 加算表現型 / Cohen-Macaulay加群 / 加算CM表現型 / Krull-Gabriel次元 / コーエン・マコーレー加群 / 表現型 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は「コーエン・マコーレー(CM)加群の安定圏の関手圏の位相構造を解析することによって、位相幾何学的な構造からCM加群の表現型を特徴付ける」ことである。加群を関手の零点と見なすことで関手圏に位相空間を定義し、それによるCM加群圏の分析を行う。関手圏の位相空間は、加群圏の表現型を位相的な性質に翻訳できるので、表現型理論において有効な手法である。研究方法はこれまで申請者が推進してきたCM加群圏の局所・階層理論に対応する退化・表現スキームの理論を土台に、関手圏の閉集合とCM加群の対応や孤立点の階層構造の分析などを行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、2022年度に行った直既約な有限生成極大Cohen-Macaulay(MCM)加群の同型類のなす集合に対して定義したZieglerスペクトラムの考察を推し進める方向で研究を行った。具体的にはZieglerスペクトラムの零点定理(閉集合と関手圏のセール部分圏との対応)についての考察を行った。無限生成加群の枠組みで与えられている零点定理は、本課題の状況では成り立たないことがわかった。それに伴い、零点定理が成り立つ状況はどのような状況かを調べた結果、基礎環が孤立特異点を持つとき、MCM加群の集合における閉集合と、関手圏のセール部分圏で左直交をとってさらに右直交をとったものが元の部分圏に一致するものとの間に1対1対応があることがわかった。基礎環が孤立特異点を持つという仮定をしたものの、一方で閉集合に対応する関手圏の部分圏は必ず先の、直交に関する条件を満たすため、零点定理に対する一応の答えを得たと考えられる。 2021年度に行ったKrull-Gabriel次元の考察で、クネーラの周期性による圏対応があるとき、それらのKrull-Gabriel次元は一致するという結果を得ている。この結果を精査し、Krull-Gabriel次元が一致するような圏対応を与える関手の条件を調べた。ここで必ずしも圏対応が圏同値である必要はないことを注意しておく. これはMCM加群圏のKrull-Gabriel次元を計算する際に、圏構造が比較的わかっている状況(例えば有限次元多元環上の加群圏)に帰着させることを念頭に置いた考察である。より広い枠組みでKrull-Gabriel次元の考察ができることを期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度におけるZieglerスペクトラムの零点定理の考察は前年度に計画された方策に基づいて行ったものであり、定理が成り立たない例や、特定の状況で定理の成立を示すことに成功した。さらにKrull-Gabriel次元の考察において、他の圏との関連付けを行う関手の特徴づけを与えられたことも、今後の次元の評価や計算への応用において可能性を期待でき、評価すべき成果と考えている。 しかしながらこららの考察から、Krull-Gabriel次元と表現型の関係性や、本課題の主目標であるブラウアー・スロールII型予想への考察までには至っていない点も事実である。 以上の理由から、現状は目標達成に向けてやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
MCM加群圏の、Zieglerスペクトラムの零点定理などの分類定理やKrull-Gabriel次元の考察から得られた成果を基盤に、Krull-Gabriel次元やCantor-Bendixson階数と表現型との関係性を解明することを目指す。Krull-Gabriel次元の評価を与える圏対応でクネーラの周期性によるもの以外の例を構成し、有限次元多元環などの状況に帰着するなどして表現型との関連を模索する。また関手圏の、ある性質を満たす関手(例えば特定の加群を代入したときの長さがn以下)からなる部分圏に対応するZieglerスペクトラムの部分集合の性質を調べるなどして、Zieglerスペクトラムの階層的な考察を試みる。これらの観察を通してブラウアー・スロールII型予想について調べていく。
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